第三版 建築基準法を読みこなすコツ

目次

まえがき

1 建築基準法を読みこなすコツ

法令は百科事典のように
百科事典とも違うのは
意外に役立つ法令の目次
後からできた条文の方が重要?
枝番号には孫枝番号もある
新しい法令には,条文の見出しが付いている
項番号も戦後つけられたもの
号番号と間違わないように
昔の法令は片仮名書きだったものですが
法令には結論だけしか書いてない
建築基準法は最低の基準
法令の基準は生命・健康・財産を守るため
まず,法令集を手にしたら
面積・高さの測り方
建ぺい率・容積率・斜線制限などの慣用語
単体規定と集団規定(都市計画規定)
行為規定と状態規定
ここで「建築物」の定義をしておきます
準用工作物とは何か
法令用語の使い方・読み方

2 性能規定を読みこなすコツ

仕様規定から性能規定へ
法令では性能を示し,具体的仕様は告示へ
性能規定化された条文の読み方
各種の性能設計法の導入
計量単位のSI単位化(国際単位化)
3 建築物の敷地の評価(用途地域・道路との関係)から

建築投資は都市計画区域内が大部分
まず,敷地の用途地域を調べてみる
用途地域によって土地利用は純化されるか
建築規制の面からのみ用途地域を眺めてみれば
建築基準法による建築物の用途規制
卸売市場等の特殊建築物の位置
敷地にとって道路は生命(敷地の道路への接道)
特殊建築物の敷地については,条例で規制
道路は原則として幅員4m以上のもの(道路の定義)
道路の位置指定をするための技術上の基準
私道の取扱い(廃止・変更の制限)
道路内の建築制限(本来は建築禁止,ただし例外許可がある)

4 建築物の造形的な可能性(床面積・高さ)をさぐる

建築物の面積的な制限
面積に関する用語の定義・算定方法
建ぺい率の制限(建築面積の敷地面積に対する割合)
容積率の制限(延べ面積の敷地面積に対する割合)
外壁の後退・壁面線の指定など
建築物の高さの算定方法
低層住居専用地域内の建築物の高さ(絶対高さ制限)
前面道路による斜線制限(道路斜線制限)
二以上の前面道路がある場合の取扱い
隣地境界線からの斜線制限(隣地斜線制限)
北側の境界線からの斜線制限(北側斜線制限)
日影による中高層建築物の高さの制限
高度地区による建築物の高さの制限

5 良い環境の市街地を創り出すための手法

規制だけで良い環境の市街地が創り出せるか
特定街区__新宿副都心の高層ビル群を創り出した手法
高度利用地区__再開発事業はこの地区内で実施
美観地区・風致地区・伝統的建造物群保存地区
総合設計制度の活用による弾力的街づくり
総合的設計による一団地の取扱い
地区計画等によって街づくりを誘導する
誘導容積制による土地の高度利用
建築協定は地区内権利者の自主的な街づくりのルール

6 建築物の構造形式を決める(防火・構造)

建築物の構造形式を決める要素は
耐火建築物・準耐火建築物などの定義
木造建築物の制限(防火上・構造上)
石造等の建築物は,構造上高さを制限
防火地域内の建築物の制限
準防火地域内の建築制限
地階の定義・階数の算定
階の呼び方
法第22条区域(屋根不燃化区域)
特殊建築物の主要構造部(耐火・準耐火建築物)

7 階段を中心とした避難のための設計を行う

建築物から避難するとは
「避難階」という考え方
一般構造としての階段・傾斜路の規定
階段は各階に必ず設けなければならないか
避難規定の適用がある建築物
直通階段・避難階段・特別避難階段
直通階段の設置数・2方向避難の確保
居室の出入口・廊下の幅・敷地内の通路
物品販売店舗(床面積1500u)における避難
避難を助けるための排煙設備・非常用の照明装置
非常用の進入口は,無窓建築物の消化活動対策
非常用のエレベーターは消防活動用
地下街の避難対策

8 火災による被害の拡大を防ぐ

火災による被害の軽減は,建築基準法と消防法で分担
火災の拡大を防ぐには建築物を防火的に区画する
木造建築物の防火壁・防火隔壁
耐火建築物・準耐火建築物の防火区画
防火区画に設ける防火戸は常時閉鎖又は火災時自動閉鎖
防火区画の周辺部の対策……火の廻り込みを防ぐために
防火壁・防火区画を貫通する配管・ダクト等の周辺埋戻し
内装を不燃化する(内装制限)
内装不燃化は,壁・天井を重点的に実施(特に天井が大切)
内装不燃化の規定は読みにくいと言われるが(否定の否定他)
内装制限の規定の要点は

9 建築物の室内環境を整える

まず「居室」と「居室以外」とに区分する
消極的な環境保護からより積極的な環境の創造へ
これまでは自然環境をうまく室内に採り入れることが主体
床下の換気や防湿も衛生上必要
便所の採光・換気
無窓の居室をもう一度考えてみる
消防法上は無窓階という考え方がある
室内環境基準は,徐々に設備基準に移行か

居室のシックハウス対策等

10 建築物の構造強度を確かめる

倒れない建築物を建てることは,建築家の義務の第一歩
「構造耐力上主要な部分」が,構造規定の対象
構造計算を義務づける
構造計算の方法は,1次設計・2次設計による
高さが60mを超えると建設大臣の認定となる
建築物の荷重・外力を拾いだす
応力を組合わせる(軸方向力,曲げモーメント,剪断力)
許容応力度は,材料強度に安全率を乗じて
2次設計を行うのは「特定建築物」
構造設計の原則・構造部材の耐久性など
木造建築物は,筋違い等で水平耐力を増す
組積造・補強コンクリートブロック造
鉄骨造(接合は,リベットから高力ボルト又は溶接へ移行)
鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート

耐震偽装対策

11 建築物の設備を充実させる

建築設備は建築物の一部
建築設備の定義を読んでみる
建築設備の規制の主体は,防災・衛生
建築設備の共通規定
電気設備(予備電源を含む)
避雷針(避雷設備)
ガス設備(ガス漏れ警報設備)
給水設備・排水設備
換気設備・暖房設備・冷房設備・煙突
消火設備・排煙設備
便所は水洗便所が当り前
昇降機にはエレベーター,エスカレーター,電動ダムウェーターが

12 建築手続きと建築工事ほか

建築行政を司る役所のシステム
建築主事と建築確認
建築確認を要する建築物等
特定行政庁による特例許可・建築審査会の業務
建築士法の遵守
法令による各種の手続き(着工届,完了届,検査済証など)
工事現場における危害の防止
違反建築物の取締り
建築物の維持管理・定期検査報告
既存建築物に対する制限の緩和