原発の終わり、これからの社会
エネルギー政策のイノベーション

目次


まえがき

第1章 原発からのエネルギーシフト


1 原発震災はなぜ起きたのか

 原発震災の危機連鎖
 原子力を扱う資格なき張りぼて体制
 不毛な政策を生む構造

2 原発がなくても電力は足りる

 需要側管理(DSM)の活用
 2011年夏の電力需給実績
 2011年冬および2012年夏の見通し

3 戦略的エネルギーシフト

 民主主義と市場が原発を退場させる
 石油・石炭依存は地獄への道
 持続可能なエネルギーへ
 国民にエネルギー主権を


第2章 世界を席巻する自然エネルギー


1 自然エネルギーのポテンシャル

 自然エネルギーを巡る誤解
 供給の主力にはなりえないのか
 コストは高いのか
 自然エネルギー産業の興隆

2 自然エネルギーの今

 自然エネルギー普及の四つの波
 太陽光発電の今
 風力発電の今
 地熱エネルギーの今
 バイオマスエネルギーの今
 バイオ燃料の今
 グリーン電力を選ぶ仕組み
 都市が生グリーン電力を利用する仕組み

3 世界の自然エネルギー大国

 世界市場の半分を担う欧州
 グリーン・ニューディールで躍進するアメリカ
 存在感を増す新興国
 日本は自然エネルギー後進国


第3章 世界のエネルギー政策の潮流


1 環境政策と経済政策の統合

 エコロジー的近代化
 温暖化防止、電力自由化、原子力代替へ
 供給プッシュから需要プルへ

2 世界で最も成功した環境政策の登場

 固定価格買取制度の誕生
 ドイツの飛躍
 競争入札および固定枠制度(RPS制度)

3 21世紀のエネルギーパラダイムへ

 コペンハーゲン後の停滞感
 カーボンからエネルギーへ
 自然エネルギー100%シナリオの出現
 21世紀の新しいエネルギーパラダイムへ


第4章 日本のエネルギー政策の課題


1 環境エネルギー政策の歪みと失敗

 世界の変化に背を向けた日本
 自然エネルギー市場の三大悲劇
 自然エネルギーを取り巻く「四面楚歌」

2 固定価格買取制度を巡る混迷

 RPS法を巡る政治トラウマ
 固定価格買取制度を巡る狂騒
 官僚主導政治は続く
 「全量買取制度」の政治的な歪み
 「政治的リアリティ」という視点の重要性
 自然エネルギー普及の第一歩

3 閉じられた電力市場

 変動型電源でも問題ない
 スマートグリッドより市場のオープン化を
 送電線は公共財
 全国一体の送電会社の設立を
 周波数の東西統一

4 熱政策の不在

 眠れる巨人
 エネルギー業界の草刈場
 エネルギーヒエラルキーの原則

5 時代遅れの補助金政策

 量産される補助金事業の失敗
 初期投資への補助金を巡る問題点
 国の補助金を巡る問題
 地方自治体における問題
 必要とされる地域の核

6 地域社会での合意形成

7 産業社会から知識社会へ脱却を

 環境ディスコースなき日本
 知のガラパゴス列島からの脱却を


第5章 地域から始まるエネルギーデモクラシー


1 地域が主導する第四の革命

 自然エネルギーは第四の革命
 高まる地域のイニシアチブ
 市場の改革
 政策の革新

2 世界で起きている地域からの変革

 サクラメント電力公社(アメリカ)の需要側管理
 ベクショー市(スウェーデン)の化石燃料ゼロ宣言
 サンフランシスコ市(アメリカ)の「コミュニティによる電力選択」
 アーヘン市(ドイツ)のアーヘンモデル
 バルセロナ市(スペイン)のソーラーオブリゲーション
 東京都の挑戦

3 地域にエネルギー主権を

 見掛け倒しの日本の政策
 日本の地域はエネルギー植民地
 コミュニティパワーで変革を