観光の目玉
物語を生かした地域旅
おわりに
本書では「水木しげるロード」という具体的な地域を取り上げて、そこを題材にして論を進めた。
現地に不足している面を「改良」しようと「観光研究及び実践の立場」から提言を行なってきた。
しかし、もう一つのアプローチとして、純粋に消費者目線〜観光客の視点〜で評価をしてもらって、そこから改良点を考えるという手法もあった。このことに、原稿の大半ができあがったある日ふと気づいた。
本書では残念ながら、構成面、時間的な面から、この視点まで含みこんで論じるということはできなかったが、気づいた瞬間に我々はもう動きはじめた。具体的には「観光客目線」を水準として各地の観光スポットを斬る企画がすでに進行中であり、本書が店頭に並ぶ頃には、新しいシリーズの骨子が粗方できあがっているはずだ。
『地域旅で地域力創造』で示された理論の「プロ目線」的分析が本書であったように、「消費者目線からの刺激」はその新しいシリーズに負わされてゆく。「理論」──「プロ目線からの展開」──「消費者目線からの感触」の三位一体での展開があってこそ観光が完全なものになるのは考えてみれば当然のことである。
今後我々執筆陣がおこなってゆくであろうチャレンジをも是非ご覧頂き、読者諸氏の批判を浴びたいと夢に見る次第である。
代表著者 佐藤喜子光
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