観光の地域ブランディング
交流によるまちづくりのしくみ

もくじ

第1章 観光まちづくりの新たな視点

1・1 ブランディングを欠いた観光まちづくりの問題点

 1 観光まちづくりへの注目
 2 観光まちづくりへの期待
 3 これまでの観光まちづくり
 4 第2世代の観光まちづくり
 5 第2世代の観光まちづくりの課題
 6 核心はブランディングとマーケティングの欠如
 7 ブランディングとマーケティングの欠如による問題
 8 内向き状態克服のための処方箋

1・2 観光まちづくりにおける地域ブランディングの本質

 1 そもそもマーケティングが欠けている
 2 マーケティングとは
 3 「顧客をつくる」ことの難しさ
 4 ブランディングが顧客をつくる
 5 地域ブランドの全体像
 6 地域ブランドで「内向き」と「外向き」の活動を束ねる
 7 観光まちづくりと地域ブランドの関係
 8 ブランディングとマーケティングの連動

1・3 これからの観光まちづくり

 1 第3世代の観光まちづくりへ
 2 観光まちづくりの4つの働き
 3 関係性モデルで考える観光まちづくり
 4 事例の紹介

第2章 地域ブランディングとマーケティング戦略への注目

2・1 ご当地カレーに見る地域振興と連携戦略──北海道富良野地域

 1 富良野の概要と富良野オムカレー
 2 富良野オムカレー誕生までの道のり
 3 「食のトライアングル〈農・商・消〉研究会」が果たした役割
 4 関係性を進化させる中間システム

2・2 温泉地域再生をめざした「はこだて湯の川オンパク」──北海道函館市

 1 函館湯の川温泉の概要
 2 湯の川オンパク開催への道
 3 湯の川オンパクが果たした役割
 4 湯の川オンパクの将来

2・3 「らき☆すた」に見るアニメ聖地巡礼による交流型まちづくり──埼玉県鷲宮町

 1 アニメ聖地巡礼から始まったまちづくり
 2 イベント企画とグッズ開発
 3 らき☆すたによるまちづくりの分析
 4 自発的な観光行動からまちづくりへ

第3章 観光振興による地域資源への再投資を進める仕組みづくり

3・1 観光客の声を生かしたまちづくり──山形県置賜地域

 1 置賜地域および山形鉄道の概要
 2 地域連携と鉄道の役割
 3 観光客の声を生かした観光振興
 4 関係性モデルのプロセスが循環するまちづくり

3・2 安全なスキーリゾートをめざす地域協働──北海道ニセコ地域

 1 ニセコ地域の概要
 2 スキーリゾートの課題と新たな取り組み
 3 雪崩事故防止活動が地域にもたらした効果
 4 ニセコ地域における中間システムから得られる示唆

3・3 土地買い取りで湿原保全を進める霧多布湿原トラスト──北海道浜中町

 1 都市部から遠い霧多布湿原
 2 霧多布湿原の保全へのかかわりとその進化
 3 地域外から得た支援の地域資源への再投資
 4 エコツーリズムによる持続可能なまちづくり

第4章 持続可能な観光まちづくりのためのシステムづくり

4・1 地域の人びとのつながりから生まれる観光まちづくり──北海道標津町

 1 標津町の概要
 2 標津町エコ・ツーリズムの取り組み経緯とその効果
 3 関係性モデルから見た標津町エコ・ツーリズム
 4 まちづくりのステップアップに向けて

4・2 政府観光局による地域マーケティング戦略──オーストラリア・タスマニア州

 1 タスマニア州とタスマニア州政府観光局の概況
 2 タスマニア州政府観光局による多様な観光振興戦略
 3 タスマニア州政府観光局の関係性モデル
 4 日本の観光まちづくりへの示唆

第5章 観光まちづくりをめざすマネジメントの実践

5・1 観光の関係性モデルで考える観光まちづくり

 1 地域ブランディングとマーケティング戦略への注目
 2 観光振興による地域資源への還元を進める仕組みづくり
 3 持続可能な地域のためのシステムづくり
 4 関係性モデルによる観光まちづくりプロセスの鳥瞰

5・2 地域ブランディングとマーケティングの戦略

 1 第1世代のマーケティングモデルに見られる基本形
 2 地域内のあらゆる会社や組織がサプライヤーになる
 3 第2世代の観光まちづくりに不足するマーケティング能力
 4 地域にマーケティング力を獲得させる
 5 地域に必要なブランディング活用型マーケティング
 6 地域ブランドアイデンティティを構想する
 7 観光まちづくりのリーダーシップ

5・3 人づくりと地域資源の保全戦略

 1 観光利益の地域資源への還元
 2 金銭的利益以外の還元
 3 地域全体への還元:波及効果
 4 持続可能な観光まちづくりのカギ

5・4 中間システムのマネジメント戦略

 1 地域側が中間システムの役割を担う
 2 4つの働きをマネジメントできる地域関係者がかかわる
 3 観光まちづくりはどの働きからでも始められる
 4 中間システム自体を進化させる
 5 中間システムを維持する
 6 中間システムから新しい活動をつくり出す

第6章 観光まちづくりから持続可能な地域へ

 1 観光まちづくりの転換
 2 適性規模と自律する観光まちづくりへ
 3 観光まちづくりにおける関係性の構造転換
 4 交流学──交流まちづくりへの希求