まえがき―下降シナリオ時代の生活環境づくりを目指して
第1章 下降シナリオによる救済―成長拡大志向から卒業する |
1 右肩上がりの信仰からの脱却
21世紀日本最大の課題―ピークアウトの連打への対応
それでも続く公共投資の高規格志向
人口減少でも住宅面積は拡大し続けるという幻想
経済は拡大し続けなければならないのか
下降シナリオという発想
2 コンパクトさが解決の鍵
日本がこれから果たすべき知的挑戦
不安の解消へ向けて―コンパクトさの追求
人口減少社会に相応しい住宅供給のあり方
都市構造もコンパクトに
3 街を造ってきたのは誰か?
家計投資がまちづくり最大のスポンサー
個人・企業が現に行っているまちづくり
都市住民が自力で行う道路整備の実例
都市住民が自力で行う都市緑化の実例
これからのまちづくりのあり方
第2章 ゼロ・リスク―道は狭くても安全な街はできる |
1 都市防災の要は道路(+公園)という思い込みの打破
道路(+公園)本位の都市防災対策の見直し
道路(+公園)本位主義の虚構
都市防災論理の総点検
建築物の耐震・耐火性能確保に軸足を移せ
阪神大震災の悲劇を繰り返さないために
地震防災上の真のリスクとは
2 リスクの詳細把握とピンポイント対策の必要性
悪い箇所があると全部切り捨ててしまう従来の都市計画
都市計画で街は安全になったか―ケーススタディ
従来のリスク把握方法と実際のリスクとの齟齬
従来型公共事業からピンポイント型対策へ
3 個別更新がまちづくりの王道―「個別更新型再開発プロジェクト方式」の提案
大規模化の論理とその破綻
大きくも、共同化もしない個別更新の論理
都市改造派の固定観念への反論
個別更新中心のまちづくりへ
4 「都市計画」における個別建築活動の可能性
全体系と部分の関係
全体系に対して部分がもつ影響力
1 日本型まちづくりシステムの再評価
「日本型の街」とその特質
日本型まちづくりシステムと従来型都市計画との齟齬
2 「ミニ戸建て住宅群開発」のコンパクトさの再評価
「ミニ戸建て住宅群開発」批判が内包する矛盾
大きな敷地は、必ずしも良い街並み環境を生み出さない
マンションは容積率最大利用のための仕掛け
ミニ戸建て住宅こそ世界に誇るべき日本型システム
コンパクトなものの利点
3 ミニ戸建て住宅群開発のグレードアップ
ミニ戸建て住宅群の更なる性能向上策
ミニ戸建て住宅群開発による街並みの可能性
小さくなるからこそ関係性を大切に
4 より良い関係性のデザインへ向けて
壁と開口部のデザインに配慮を
敷地境界と壁・開口部の位置関係についてのルールの提案
屋内空間と屋外空間の相乗効果こそ大切
1 道路整備が生み出した魅力のない空間
道路整備の副作用・逆効果
道路の現状の再点検
2 細街路の魅力と賑わい
細街路が賑わう理由
日本中で始まった細街路の再評価
都市計画は不要な介入をするな
3 道路優先からの脱却―道路は狭くて良い
始まった4m道路絶対視からの脱却
道路空間の再配分の試み
クルマ中心のまちづくりから人間中心のまちづくりへ
もう一つの課題―クルマのために緑を失ってよいのか
第5章 提案 一人から始められるまちづくり―私たちが都市を緑化する |
マイカーの大きさと緑陰の大きさを取引するライフスタイルの勧め
実現への手順
あとがきに代えて―これからのまちづくりを担うのは誰か
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