地方都市再生のための中心市街地活性化〈導入機能・施設〉事典


書 評
『地域開発』((財)日本地域開発センター)2004. 10
  中心市街地活性化に向け、国や自治体による種々の対策がとられているものの、現時点での顕著な効果は見られず、特に地方都市の中心市街地では、中小規模の空閑地の発生が深刻である。しかし一方で、医療・福祉、生涯学習、ビジネス支援、環境・エネルギーといった新たな都市機能や都市空間に対する需要が潜在的に発生しつつあり、中心市街地の核的施設の新たな活用法が模索されている。
  本書では、中心市街地活性化のためには、従来型の大規模な改変ではなく、地域自身が身近な情報に基づいた工夫と努力により小さな成果を蓄積していくことの必要性を指摘し、既に地方都市の中心市街地で見られ、新たに導入が望まれる都市機能を、成長分野や産業ジャンルごとに分類した上で、その立地と規模を明示し、要点を示している。また、各地で芽生えてきた新たな土地利用需要を多くの事例によって詳しく紹介しており、中心市街地活性化の最新の動向を知ることができる一冊である。