演習 建築構造力学T〈静定編〉
まえがき 現代はコンピューターの普及がめざましく,また多種多様の構造解析ソフトが開発され,実際に構造解析に用いられています.しかしながら,解析された結果に対する物理的かつ工学的判断が構造設計者に要求されるようになっています.そのため構造力学の基礎となる解析方法を構造設計者自身が身につけておくことが必要になってきます. 本書は,演習建築構造力学T〈静定編〉にひきつづくもので,静定架構の弾性変形問題や不静定架構の解析方法についてまとめたものであります.静定架構の弾性変形を求める解析方法や不静定架構の解析方法は数種類ありますが,それぞれの解析方法の説明に用いた例題は同じ架構を使用していますので,架構と荷重の状態によってどの方法で解析したらいいのかを読者自身で判断ができるようにしています.また,マトリックス法,全塑性モートント,崩壊荷重についても演習を考えましたが,講義および演習で行わないのと,頁数の関係で記載していません.卒業後も本書の2冊が本棚の一部になることを著者は望んでいます. なお,本章で行う演習は,一般式で表示せず実際の数値を扱っていて,計算による数値を電卓等で行うことを想定し,正確な値にならない場合がありますので,本書で表示する数値は有効桁数4桁を目途として計算しています. 各章の内容は次のとおりです. 第9章:静定構造物の変位および不静定構造物の応力 弾性曲線式,モールの定理,仮想仕事の原理, カスティリアノの第T定理,カスティリアノの第U定理 第10章:不静定構造物の解析 応力法,たわみ角法,固定法 平成21年4月
田中茂樹・福田幹夫
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