建築ドリル
空間表現の基礎を学ぶ

この教材は2008年度以来、京都造形芸術大学通信教育部の建築デザインコースと空間演出デザインコースで使用されている自宅学習向け教材を再編集したものです。この大学の通信教育部には、20代後半から40代を中心に働きながら学ぶ学生たちが集まります。彼らの中には建築デザインや空間デザインはもちろんのこと、デザイン全般に関しても全く初学者である方が大勢います。そんな彼らにデザインを教える際に苦労することは、やはり図面というものをどの様に受け止めるかにあります。
「そんなに図面に慣れないのであれば、いっそのこと漢字ドリルみたいになぞってはどうか」、そんな突拍子もないことを言い出したのは、講師もお願いしている建築家の佐々木龍郎さんでした。
「図面」と聞くと肩に力が入ってしまう学生諸君たちに対して、手軽に取り組みながらも決して表層的な事柄のみに留まらず、より幅広い学びの入口になり得るような教材。なぞって学ぶドリル教材をその様に位置づけ、試行錯誤を重ねて本書はできあがりました。建築デザインや空間デザインを学び始める人たちも、これから目指そうとする人たちも、まず最初に気軽に手に取って欲しいと思っています。
最後に、学芸出版社の井口夏実さんをはじめ、本書ができるまでにご尽力頂いたみなさんに感謝します。どうもありがとうございました。

2012年1月 京都造形芸術大学通信教育部 建築デザインコース