21世紀こそ正統ポストモダニズムの真価が問われる時代だ。 本書では建築を一個の物語としてとらえ、ロマネスク、ゴシック、近代建築などの様式を対象に、空間の差異化操作を読み解き、その創作技法の内的構造を明らかにしている。 さらに記号深化のメカニズムをたどり、まるで物語を書くように建築を設計する方法を提示した。 目 次
T章 記号としての建築建築と言語/所記としての建築/建築における能記/様式形成のメカニズム
U章 世界の切り分け(空間の差異化)立地の意味と図式化/地形の切り分け(断崖と投入堂□、盆地山際の法隆寺、入江水際と厳島神社、深山山中と日光東照宮、河岸とタージ・マハール、海とヴェネツィア、山頂とアルハンブラ宮殿)/地理の切り分け(都市と大伽藍:フィレンツェの場合、都心イメージの更新:エッフェル塔、都心の機能縫合:ワーグナーとウィーン)/風景の切り分け
V章 統合の単位と体系様式とコード/物語の構造と建築の単位/機能と指標(建築の機能と指標、枢軸機能体、物語のシークエンス・建築のシークエンス、物語行為、はめ込みと組み込み)/場面展開の構造と技法(映画・演劇・装置、省略と場面転換、場面の切断、比喩と象徴、音と光、モンタージュ、建築のモンタージュ、空間的深さ、建築における時間表現)/表示(デノテーション)と暗示(コノテーション)
W章 記号深化のメカニズム記号の身体化/元型の空間/入れ子構造の解体/様式の解体/典型としての四つの型/建築形態の深層
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