都市環境デザインの仕事

建築家、ランドスケープアーキテクト、土木デザイナー、アーティスト、エンジニア、コンサルタント。
都市はコラボレーションの契機に満ち、新たな挑戦を待っている。

誰でも、自分が見ている風景を、誰かに見せたい、誰かと一緒に見たいと思うことがあるはずだ。隣にその人がいれば、とっさにそれを指差して見ることをうながしたり、そばにいなければ、言葉で説明することもあれば、絵に描き、写真に撮り、あるいは図面を引いて伝えようとするだろう。面白いのは、それが「伝わった」と感じる瞬間、もう一つの異なる風景が生まれることだ。それは共有された風景とでも呼ぶことができるものである。
 本書も、いわば、そういう試みの一つとして生まれたものだ。つまり、都市環境デザインに関心をもつ人たちに、都市環境デザインの世界を伝え、それを共有したいという表現の、三十六人の試みである。
 序では都市環境デザインとは何かについて論じ、第一部では都市環境デザインの世界について、七人の執筆者が自らの考え方を展開している。さらに第二部では都市環境デザインに関わる分野別の仕事場を紹介し、第三部では、二〇人の執筆者がそれぞれの都市への眼差しと実践の過程を述べている。
 現実の仕事としての都市環境デザインは、専門分野は勿論、働くうえで所属する仕事場、あるいは立場などによって、関わり方は多様である。そのうえ、分野をまたいだ協働の関係を築くことが欠かせない。
 本書に示した都市環境デザインの「仕事」の世界が、都市の維持や形成に携わろうとする「君たち」に共有されることによって、もう一つの新たな可能性をもった世界として開花することを期待している。

『都市環境デザインの仕事』編集委員会









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