二級建築士 はじめの一歩

学科対策テキスト

おわりに


 建築ってかっこいい、やりがいがありそう、社会に貢献できそう。そう思って建築の道に進もうと思ったものの、いざ勉強を始めたら意外と大変、面倒なことが多い、そう思って途中で挫折してしまう人が少なくありません。でも、どんな世界でも、例えば、野球選手や芸能人、料理人などの職人たち、いろいろな道を極めた人たちも必ずと言っていいほど、辛くて苦しい下積み時代があったはずです。また、そんな時代に苦労した人ほど、大きな成果を成し遂げている部分があると言えます。
 建築を勉強している間って、野球で言うとランニングをしたり筋力トレーニングをしたりしている段階です。そのときはしんどいですし、面白くないと感じるかもしれません。でも、実際に試合を行なって、勝ったときの喜びや負けたときの悔しさを味わったら、もっと本気で頑張ってみよう、きっとそう思うはずです。野球ではないかもしれませんが、みなさんにもそんな経験がこれまでにあったのではないでしょうか。
 建築の世界も、自分が携わった物件が完成し、納得がいくものに仕上がったら、また、お客様に喜んで頂いたら、これまでの苦労が一気に吹っ飛び、さらに良いものをつくりたい、お客さんに喜んで頂きたい、たくさんの人に感動を与えたい、そして、もっともっと知識や技術を身に付け自分自身を向上させたい、そう思うことでしょう。実際に、今建築の世界で活躍している人たちは、そんな建築の魅力に取りつかれ、やめられなくなっている人たちです。
 今までの人生で本気で夢中になったもの、ありますよね? ご飯や寝る暇を惜しんでまで夢中になって取り組んだもの、誰しも経験があると思いますし、人には必ず夢中になれるものがあるはずです。
建築にそこまで夢中になれるのか
 まちや社会に貢献できたり、その建物を利用したり住む人に感動や刺激を与えることができる。建築って計り知れないほど大きなやりがいがある仕事であることは間違いありません。後は、あなたが建築に対していかにその魅力を感じるかです。
 でも誤解しないでください。私は建築に夢中になってくださいと強要するつもりは全然ありません。人はそれぞれ興味を持つものは違います。私はただ、建築を志す人がいれば、その人に対してできる限りの応援をしたいだけです。建築の楽しさ、素晴らしさを1人でも多くの人に伝えたい、勉強する過程も楽しいものであることをわかって頂きたい、そんな気持ちで今の仕事を行なっています。
 何も建築に限ったことではありません。どんな仕事でも楽しくやっていきたい人、何かに頑張っている人、そんなすべての人に対して、これからもできる限りの応援を行なっていきたいと考えています。