一級建築士試験 建築構造のツボ 特訓ドリル


まえがき

 本書は、一級建築士試験対策書『構造力学のツボ』および『構造設計のツボ』シリーズの姉妹本として、建築構造分野の問題と解説を編んだ書籍である。

 本書の特徴としては、学科Wの構造の分野では、2009年からの新制度導入によって問題数が5問増えて30問となったことに対応して、大項目を出題数と同じ30項目とし、ほぼ出題順に編集した。この出題順に並んだ問題を順に解いていけば、本試験のときの雰囲気を感じることができるであろう。その30項目を79の小項目に分類し、1項目に問題を2〜3問収め、全体で約160問収録した。これは類似問題を除いた約10年分の問題数を収めたボリュームとなっている。
 新制度による増加分は、一般構造や構造設計の分野である。
 そこで、本問題集は、増加分の問題に配慮した。すなわち、木構造・鉄筋コンクリート構造や鉄骨構造および耐震設計や構造設計に重点を置いて項目数を配分し、その分野での項目数は、全体の約38%を占める数とした。
 本書の内容は、計算問題については、手順どおりに順序よく解くことを心掛けた。
 文章題については、新しい問題を極力収録した。ただし、重複する選択肢は取り除き、それに替わる選択肢を他の年度から補充し、新しい問題とした。そのため、選択肢の数が増え、実質的には約20年分の問題を収めた内容となっている。
 また、解答はすべての選択肢について行っており、なぜ間違いなのか、どう誤っているのかをていねいに説明したので、十分に理解できる内容になっていると確信している。
 各小項目の解答の後に、「ここがツボ」を設けて、その項目に関連する重要事項を解説した。すなわち、問題を解くうえで重要なヒントになる事項や図表、問題に載せることができなかった重要な選択肢および各種公式を記載した。
 これらの問題の解答および「ここがツボ」を繰り返し、繰り返し読み返して、その後に再度問題に挑戦し、問題の内容を確実に自分のものにすれば学科Wはおおむねマスターすることができるであろう。そのための手助けとして、問題1や問題2の後にある□□□を活用してチェックを入れ、3回は繰り返して問題に当たってほしい。
 最後に、本問題集を十分に活用されることによって、一級建築士合格の栄光を勝ち取られることを願ってやまない。

2013年10月
著者 植村典人