阪神・淡路大震災被災と住宅・生活復興
阪神・淡路大震災復興都市計画事業・まちづくり

2005年 日本都市計画学会学会・石川賞 受賞




安藤元夫氏の阪神・淡路大震災に関する著作(『阪神・淡路大震災被災と住宅・生活復興』『阪神・淡路大震災復興都市計画事業・まちづくり』)およびまちづくり支援活動が2005年日本都市計画学会学会・石川賞を受賞いたしました。

◎受賞理由
  震災は、まことに都市及び都市計画の課題が凝縮的に現れる場面である。安藤氏は、阪神・淡路大震災という未曽有の事態に対し、研究者として何をなすべきかを自ら問い、大きく分けてふたつのテーマを実践し、それぞれの成果を2冊の書物にまとめた。
 『阪神・淡路大震災被災と住宅・生活復興』(学芸出版杜、2003.7)は、4地区を対象にした定点観測によって、震災前の状況の復原から復興へ至る経過を、物的な環境の側面とそれが支える生活の側面を相互に深く関連させながら、あきらかにした貴重な記録である。
 また、『阪神・淡路大震災復興都市計画事業・まちづくり』(学芸出版杜、2004.2)は、安藤氏自身が主体的に参加したものも含む震災後の全事業をとりあげ、調査・評価を行っている。特筆すべきは、これら事業の検討が、復興という課題にとどまることなく、そのまま、わが国の特に市街地整備に係わる都市計画および都市計画事業のあり方一般への重要な示唆となっていることである。
 安藤氏は、阪神・淡路大震災の直後から復興までを継続的に、あくまでも住民の視点に立ち、かつ現場主義を貫き通した調査とまちづくり活動の結果をまとめ、著しい業績をあげたもので、氏の業績は石川賞に値すると判断する。