東京再生
Tokyo Inner City Project

書 評
『地域開発』((財)日本地域開発センター)2004. 7
  東京は都市空間として多くの問題をかかえており、日本独自のサブカルチャーから生まれた小規模な空間によって構成されつつも、全体として秩序ある都市空間を形成するように再構成されることが求められよう。
  このような問題意識のもと、2000年から2001年にかけて、慶應義塾大学、明治大学、ハーバード大学の大学院生によるアーバンデザインの合同演習が行われた。この演習は都心居住をテーマとし、赤坂、六本木の防衛庁跡地、日本橋周辺、隅田川東部の下町(京島)を対象として、それぞれの地区の持つ課題に対してアーバンデザイン的観点から解決策を探るというもので、日本とアメリカの学生が成果を競った。
  演習の成果物をまとめた本書には、日米間の考え方やアプローチの違いがうかがえ、また、対象地区もバラエティーに富んでいることから、多面的に東京という都市空間について考えさせてくれる。図表を用いた説明が多く、読みやすい1冊でもある。

『建設通信新聞』 2004. 4. 7
  2000年から01年にかけて取り組んだ日米の大学による国際ワークショップの提案を収めた。ハーバード大と慶大、明治大大学院生らが「都市居住」の在り方を、分析、戦略立案、提案、評価し「東京インナーシティプロジェクト」として成果をまとめている。
  赤坂、京島、六本木、日本橋各地区を江戸時代から現代に至るまでの歴史をひも解きながら問題点を探っている。