図説 やさしい建築一般構造


まえがき

 建物の構造を勉強するにあたり、基本的な構造のしくみを把握することは、とても重要なことだと思います。地震国である日本では、地震に耐えることができる構造が基本となり、建物全体やそれぞれの部材、部材の接合部分などの安全性が求められます。
 また、地震などによる大規模な災害が起こると、構造の基準の改正が行われたり、企業などによって新しい工法や納まりが開発されるなど、その時代に対応した知識が求められます。
 その中で本書では、基本的な知識に重点を置き、イラストをできるだけ多く取り入れることで理解が進み、そして発展への足がかりになるようにと考えました。
 また、近年の建築士試験の傾向として、建物の安全性に対する問題が増えています。そこで、本書では、建物全体や部材にはたらく力に対する説明などをできるだけ取り入れました。
 建築に関連する仕事を始められる方や建築士試験を受験される方にとって、本書が、理解の手助けになれば幸いです。
著者を代表して 今村仁美