ウッドエンジニアリング入門


書 評
『新建築住宅特集』((株)新建築社)2004. 5
  著者は「今、木造建築ブーム」であるが、現状では、料理人が肉や魚などの素材に関する知識をもたないままフライパンを振っているようなものだとし、実務者の木質構造に対する知識不足に警鐘を鳴らしている。本書のタイトルでもあるウッドエンジニアリングとは、丸太が伐採されさまざまな加工が施された後に木質構造の構造体になるまでをカバーする科学技術のことだ。本書では、科学技術的な立場から、木材の本来の強さを活かし、木質構造の安全性を保証できる技術についての入門書だ。一般的な技術書とは違い、実務的な情報やデータの掲載に絞られ、多くの写真や図版は明確なイメージをもちながら読み進めることができる。