魅せる!実践CADパース


おわりに


 本書は、初めに手描きでのパースの描き方のポイントをしっかりと踏まえた上でCADなどを使用したCGパースの話へと進むように構成されていますので、今までパースを描かれた経験のない方にも、わかりやすい内容になっています。
 私は10年以上前に住宅メーカーで働いていましたが、その頃は図面とカタログの写真や模型だけで話を進めていましたので、完成後に「イメージが違う」などといったクレームをよく聞いていました。
 そういったことを解消するためにもパースは必要不可欠なものになっています。
 さらに今ではパースは単なる完成予想図ではなく、お客様にその空間での生活を想像していただき「そこに住んでみたい」「そこに行ってみたい」と思っていただくためのプレゼンツールにもなっています。
 そういったプレゼンツールとしてのパースを作成していただくための助けとなるように本書は構成されております。
 今回、宮後先生とともに本を書かせていただくという話が上がった時、当初は何をしたらよいか頭を抱えていたことを今でも思い出します。
 ですが、実際に話がスタートしたら、今まで自分が行ってきたこと、学んだことの集大成のような内容で話が進み、自分なりの整理もできました。
 今回は初めての出版作業ということで、私がもたついた時にも辛抱強く対応していただいた学芸出版社の中木様はじめ皆様には本当に感謝申し上げます。
 本書が皆様のお役に立てれば幸いです。

 
伊藤茂男