はじめて歩くパリ GUIDE BOOK


はじめに


こんにちは。パリに住んで3年目になる田原安佐美です。

自己主張がはっきりしているフランス人、責任の所在が曖昧なフランス社会、そんなところばかりを真似てしまった在仏日本人。

このフランスで生活をスタートさせた3年前、銀行口座の開設で在仏の日本人による理不尽な対応に腹を立てたり、開通したばかりのインターネットはトラブル続きで、最初の半年間はほぼ毎日電話を掛け続けていました。

その頃が懐かしくもあり、今でも顔をしかめたくなります。そして日本では信じられないようなできごとが日々起こります。

それでも、その一方で幸せなパリの生活があります。

美しい町並みのパリを散歩する楽しみ、カフェで過ごす時間、日曜日に立ち寄るマルシェ、週末旅行で観るフランスの景色の豊かさ。

ヨーロッパ中を旅した今、改めてフランス、中でもパリはどの都市よりも洗練された文化を持っていると感じています。

そして、私が最もパリに感じる魅力は、歴史が生活に溶け込んでいるところ。

ここで紹介するのは、そのような私が感じた何気なく洗練された、パリの「もの」や「こと」のほんの一部です。

この本を通して、そんなパリの魅力をみなさんにお伝えできればうれしく思います。