本文図版リスト

1章　大道芸の魅力

• サンタの腹話術　まちのあちこちのコーナーでパフォーマーたちが楽しさを作りだしているサンフランシスコのダウンタウン｡
• 街角のオペラ　カセットデッキの演奏で歌うオペラ歌手は､ イタリアにオーデションを受けに行く旅費を稼ぐためにストリートパフォーマンスをしている｡ 車の騒音をものともせず､ 冷たい空気の中に迫力のある声を響かせていた｡ 　張り紙やなんとなくユーモラスな風貌にけっこう人気があったが､ 店の前に陣取っていたためかテープを販売していたせいか警察に立ち退きを要求された｡
• サンフランシスコで見かけた風船クラウン
• つかしんパフォーマンス事情
• 無表情に見るお客様　お客様の表情にトゥー・マッチ・ブラザーズのふたりは失望｡ 「おもしろいね」と囁かれていたので､ 私がそれを伝えたが信用してくれなかった｡
• オランダフェスティバルの手回しオルガン　オルガン＆ジョイカンパニーのヤコプの手作り｡ ハナカとふたりで素晴らしい歌声を聞かせてくれた｡
• つかしん英国村　伊丹川沿いに作られたステージを使わず､ メイン動線になっている橋のたもとでパフォーマンスを実施｡ デッキからもよく見え､ 一体感を作りだしやすいこのスポットは､ 大道芸に最適だった｡
  パフォーマーはスティーブ・ローリングス｡ この仕事から帰ってから急に人気がでて有名になったので､ ロンドンに行くたびに私はラッキーを運んでくる人という扱いを受けた｡

2章　成功した商業施設に学ぶ

• サンフランシスコのウォーターフロント
• サンフランシスコのストリート　ストリートパフォーマンス専用のステージを持つ4つの商業施設を結ぶ通りにも､ たくさんのストリートパフォーマーやもの売りがビジネスをしている｡
• ニューヨークのサウスストリートシーポートミュージアム　ゴミゴミした大都会とは思えない雰囲気を持つこのエリアは､ ノスタルジックなムードをテーマパークのように楽しめる｡
• ボストンのファニュエルホールマーケットプレイスはいつもお祭りの雰囲気
• キャナリー　サンフランシスコのストリートパフォーマンスのセンターのひとつ｡
• ギラデリースクエアのステージ　ギラデリースクエアのステージは､ 建物の北側に位置するので日蔭になり､ 少し寒い｡ バックパネルはないが､ ステージのすぐ後ろを通行できないので問題はないし､ 椅子に座ってくつろいでパフォーマンスを見ることができる｡ ただし､ パフォーマンスを囲むという空間の緊張感は生まれにくい｡
• アンカレッジのステージ　この施設には最初からステージが設けられているが､ 風の吹き込みがひどいので､ ウォーターフロントでもっとも人気のあるニューボードビルやジャグリングは難しい｡ フィッシャーマンズワーフでは､ 唯一ストリートパフォーマンスのプログラム看板を出している｡
• ピア39の初期のステージ
• ピア39の昔のステージバックは透けていた　パフォーマーはアメリカンドリームの2人｡
• グリン＆バレットショー
• ピア39のパフォーマンスステージ　パフォーマーたちがあちこちでパフォーマンスをした結果､ 見つけだした最高のスポットに後から作られたステージ｡ 最初はステージの台だけを作った｡
  　美しいマリーナを背景にしたいと思うところだが､ パフォーマンスに集中できる見やすいステージにするためには､ ステージのバックを作るのが見る人へのサービス｡ 最初のバックパネルは海が透けて見えるものだったが､ 結局見通せないもののほうが良いという結果になり､ 現在のステージバックになった｡
  　2階のデッキにもたくさんの観客がいる｡ 座っている人､ 立って見ている人すべてにいかに一体感を持たせるかでチップに何倍もの開きが出る｡ もっとも大切な客とのコミュニケーションに皆たいへんな工夫を凝らす｡
  
• ショーの後で頭の入れ墨の写真を撮らせるバタフライマン　サンフランシスコの名物男は皮肉屋として名が知られているが､ 実はサービス精神たっぷりのショーマン｡
  
• バタフライマン（写真提供：ロバート・ネルソン）
• フレッド・アンダーソン（写真提供：フレッド・アンダーソン）
• ボルチモアのハーバープレイス　アンフィシアターは海を背にしてパフォーマンスをする｡ 客席側の真ん前にある大きくて目を引く帆船の前には､ 圧迫感の少ない紗のスクリーンを張っている｡ もちろん歩行者のアイレベルからは海が見える（上：バラエティ･イン･モーション､ 下：バウンス＆ウララ）｡ 　
• ハーバープレイスのマーケットプレイス内のパフォーマンス　パフォーマンスは､ その見せ方と内容に適したスポットで演じることがもっとも重要｡ 美しい音色のハンマーダルシマは､ マーケットプレイス内のちょっとしたスペースで｡ 休憩しながら気持ちの良い時間を過ごせる｡
• マイフェアレディのイライザが花を売っていた場所には今も花売り娘がいる
• ブレイクダンサーのメルビン　15歳の時にここを通りかかり､ 音楽が聞こえてきたので踊りだすと誰かがコインをくれた｡ それ以来､ 毎日ここに来てパフォーマンスをしている24歳のベテラン｡
• 英国にもいるブルースブラザーズ　陽気で楽しいふたりは昼はストリートパフォーマー､ 夜はコメディアンとしてナイトクラブなどに出演している｡
• ストリートパフォーマンスのコンテストの時は､ こんな風変りな人たちも出演

3章　商店街で成功させる方法

• 野毛大道芸ふぇすてぃばる（同パンフレットより）
• 大須大道町人祭（同パンフレットより）
• 京都のガラクタ市も大須に　大道町人祭では､ 名古屋のいろいろなお祭りが一斉に行なわれるので､ 大道芸だけではなくいろいろなものを見ることができる｡ 京都の東寺のガラクタ市の開催もこの祭りの楽しみのひとつ｡
• バナナの叩き売り　大道町人祭では､ バナナの叩き売りやちんどん屋など日本の古典的な大道芸が出現し､ おもしろい口上を聞くことができる｡
• 大須大道町人祭でのティム・バットのパフォーマンス　84年から外国人のストリートパフォーマーを招聘している｡ 広場でのパフォーマンスに､ 昔ながらのちり紙に包んだお捻りが飛ぶ｡ 1日10万円以上のチップが入るので､ ギャラが1万円でも喜んで出演する｡ しかし､ 2日間の仕事のためにヨーロッパからわざわざやって来るのも､ 招待するのもたいへんだ｡

4章　ステージの作り方

• 作られてから一度も使われたことがないステージ
• 天保山ハーバービレッジのロタンダステージの問題点
• ロタンダステージでコメディジャグリングを披露するウィラー・コール
• お客様もステージに　ストリートパフォーマンスのおもしろさのひとつは観客が参加すること｡ キャロライン・サイモン・カンパニーのパフォーマンス｡

5章　パフォーマーとうまく働く法

• ポンピドーセンターの火吹き男

6章　博覧会に学ぶ活用法

• バンクーバーの交通博（写真提供：沖始）
• エキスポ'88／ディスオーダリーコンダクトのスコット　1日150回以上のストリートパフォーマンスが会場のあちこちで笑いを巻き起こした｡
• エキスポ'88／スティルツのクリーンキーパー　ストリートパフォーマンスが博覧会の主役だったブリスベンのレジャー博は､ 掃除のスタッフすら背高ノッポのパフォーマー｡ 運営スタッフのひとりひとり､ 「人」が会場を演出した｡ （写真提供：村上則子）
• 花と緑の国際博覧会のストリートパフォーマンス実施概要
• フラワーポットマンのひとりは､ 花博での花の手入れがとても丹念なのを見て感心し､ じょうろマンとなって会場を歩き回っていた｡
• ナチュラル・シアター・カンパニーのコーンヘッズ　地球に観察に来た宇宙人｡ ちょっとドジで時代を間違えてしまい､ 古いスタイルのコートとカメラを持っている｡ そのカメラで何でも写真に収め集団で同じ動きをするところは日本人の観光客のコピーのような気もするが､ 本人たちはそれは見る側の見方の問題だと言ってとりあってくれない｡
• ナチュラル・シアター・カンパニーのフリージングレインコート　博覧会では雨の日こそ何か特別なものが見たい｡ フリージングレインコートは雨の日用のパフォーマンス｡ 雨の中ピタリと止まって動かない｡ 顔は厚くドーランを塗り､ 帽子と眼鏡で隠れているので人形か人間か分からない｡ 5分以上フリーズしている｡ いぶかしがる人が近づいて来たところで､ 一斉に大声を出してスタスタと去ってしまう｡ 驚かされた人は､ 今度はほかの人が驚く様子を見たくて､ パフォーマーにぞろぞろとついて歩く｡
• グラスゴーの庭園博会場　美しい会場には､ 英国風のユーモアが溢れるパフォーマンスがいっぱいある｡ 都市が甦るお祭りとして､ 庭園博は地元に支持されているフェスティバルだ｡
• 会場のアートの例／紅茶を注いでいるティーポットと水道の蛇口の噴水
• ビッグローリー＆ウィマルキー
• スコットランドの15世紀のマインツ城に住むビッグローリーと娘のクリスティン（写真提供：マイク・ローワン）
• なぜか後ろの人も笑えるのが大道芸の良いところ　ジョン・リーに初めて会った｡ ショーの後いろいろな人が「おもしろかったよ」と声をかけた｡ 年配の方が「こんなおもしろいものは初めて見た」と言って涙を流して喜ばれ､ 握手の手を放さなかった｡ ショーの後､ 楽屋まで荷物を運ばせてくれと言って子供たちがくっついて離れなかったが､ 私も同じことをしてしまった｡
• テーマが庭園だから花や木をモチーフにした寸劇が観客を巻き込んであちこちで繰り広げられている（トニー＆デレク・シアターカンパニー）
• フィルム売りも加わるたいへんカジュアルなパレード
• シルクロード博でのストリートパフォーマンス実施概要
• クリフ＆メアリーのクリフ　若草山でのパフォーマンスは､ 山のなだらかな傾斜が天然の観客席となり､ 一度にたくさんのお客様に見ていただくことができた｡
• ラジャスタンの人形遣い､ ジャグディッシュ・バット　風変わりでしかもリアルな動きをする人形は見る人すべてを魅了した｡
• 観光客相手の蛇遣い　強烈な個性で見る人を引きつける｡ それにひきかえコブラは眠そうに首を上げるだけでとても踊りと呼べるような動きをしない｡ 蛇遣いはにっこり笑ってコブラの頭をパカッと叩く｡
• ラジ・クマール・バットの糸操り人形　微妙な動きで見る人を魅了するこの人形は､ 500年前のラジャスタンの宮廷のアクバル王の宴会の様子を再現している｡ この芸もまた数百年もの間､ 親から子へと引き継がれてきた奥の深い芸である｡
• 日本でのパフォーマンスのために靴を注文した
• エネルギーいっぱいのコロニーの子供たち　将来の選択に悩むことなく小さい頃から芸を学び始める｡

7章　海外のパフォーマーはこう生かせ

• アジア・太平洋博でのジョン・リー　パフォーマンスが伝える心で国際交流の雰囲気が作りだされる
• アジア・太平洋博でのバタフライマン　ことばが通じなくてもコミュニケーション溢れるパフォーマンスができる｡

8章　導入の実際

• 連日大人気のシロトピア博のストリートパフォーマンス　デンマーク人とアメリカ人のコンビ､ グリン＆バレットのショー｡
• プログラム
• サインをせがまれるマーディン　ショーのあとお客様とのコミュニケーションが大切だが､ 数百人の子供たちにサインをせがまれ悲鳴をあげた｡
• ステージ型／ジャグリング　花さじきと呼ばれるこのスポットは､ 1000人を優に超えるお客様に見ていただくことができる最高のスポット｡ バラエテイ・イン・モーションの2人は広い空間を最大限に活用し､ ダイナミックなショーを見せた｡ しかし､ 広すぎるのでマイクを使うなど､ ある程度の準備が必要｡
• ステージ型　博覧会ではストリートパフォーマンスには不釣り合いなほど大きなサークルができることもある｡ しかし後ろのピンクのフロートには音響設備一切が積み込まれ､ どこへでも移動できる｡ パフォーマンス道具の移動にも使え､ 夜の照明設備一式を積み込むこともできる｡
• スポット型／スーちゃんのロボット　賑わいの演出は､ 人を滞留させすぎず楽しい雰囲気を作りださなければならないが､ 移動型のパフォーマンスでも人が溜まってしまうことがある｡ 商業施設などで人の注目は集めたいが､ 滞留させたくないときはこのロボットのパフォーマンスがぴったり｡ 人が溜まると移動できる｡
• 移動型／スティルツ（竹馬）　パビリオンの入館を待っている人や､ どこもかも混んでいるので疲れている人は､ ユーモラスなハプニングを運んでくる移動型のパフォーマーに出会ってパッと笑顔が蘇る｡ 移動型・スポット型のパフォーマンスの特徴は､ 観客とパーソナルなコミュニケーションができるところにある｡ このパフォーマーはフレンドリーな顔で人気があるネッド・ケリー｡
• 取り囲まれると不安　スティルツで3mの巨人になって歩くマダム・バスカフライは､ 写真の被写体としてたいへんな人気者だ｡ しかし､ 足元が不安定なので取り囲まれると危険をともなうこともある｡
• パフォーマンスの迫力とお客様の興奮が伝わりあうステージのスペース　本場のテイストのメルビン・プラマーのブレイクダンスに大きな声援が送られる｡
• 一体感を保つため床の材質を変えるだけでステージを作っている　パビリオン内のステージで､ 街角の雰囲気のストリートパフォーマンスをするビル・ザ・ワンマンバンド｡ 　
• パフォーマンスステージ　ストリートパフォーマンスは､ お客様を巻き込みながら行なわれる｡ お客様が近づきやすい外観､上がりやすい高さ､パフォーマーとの距離を感じにくい演出が重要｡ たとえばグランドにペイントで､ あるいは材質を変えてステージと観覧場所を区別するか､ 20〜30cm以内の高さのステージを設置する｡
• ウッドブロックのステージ 　
• 人工芝ステージ 　
• パフォーマンスに適さないステージの床　ストリートパフォーマンスの種類にもよるが､ 床の素材は気をつけたほうが良い｡ 花博での「たのしみ広場」はストリートパフォーマンスのために準備された空間だったが､ 床をウッドブロックで作っていたため時間がたつに従って､ 曲芸をすると安定感が保てず危険になってきた｡ 結局人工芝をひいた｡ （バラエティ・イン・モーション）

9章　テーマパークにみるテーマ性の表現

• 名古屋・マジカルガーデンで初来日したダン・ルーカー
• マジカルガーデンでのパフォーマンスによる動線の変化
• アムステルダムの大道芸の名所　レンブラント広場でパフォーマンスを見せるデビット・リヒテンシュタイン｡ 彼はアメリカ人だが､ この夏偶然にもパリ､ ニース､ ミラノ､ そしてここアムステルダムの4都市で出会った｡
• 長崎オランダ村　オランダの町並みを背景にストリートパフォーマンスを見せるのは､ ダン・ワイルズ｡ アメリカ人のパフォーマーだ｡ （写真提供：ダン・ワイルズ）
• 登別マリンパークのステージの問題点
• ニクス城をバックに演じられるバイキングの野外劇　素晴らしい背景なのだが､ 入り口からメインアトラクションである城へ向かうアプローチの中心にあるため､ 問題が発生する｡ せめて見ている人から舞台の背後の通行を隠してあげたい｡
• 東京ドームと後楽園ゆうえんち（同パンフレットより）
• 遊園地から飛び出してビッグエッグシティのあちこちを歩き回る好奇心の強い宇宙人､ コーンヘッズ
• ナチュラル・シアター・カンパニーのノーマルズ　ノーマルズは正常な人びとという意味だが､ 顔が銀色のノッペラボーで､ とてもノーマルだとは思えない｡ パフォーマーが数人で同じ動きをするパフォーマンスで､ 個性がなくて同じような行動をすることが「ノーマル」と呼ばれるのかという皮肉があるような気がするが､ 遊園地ではひたすら滑稽で個性的｡

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  学芸出版社『大道芸イキイキ空間』/ gakugei.kyoto-inet.or.jp

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