まちづくりデザインゲーム


書 評
『地域開発』((財)日本地域開発センター)2005.10
  本書は、筆者たちが開発した市民によるまちづくりのための合意形成ツール「まちづくりデザインゲーム」を紹介している。
  デザインゲームの特長は、街並み模型や写真の貼り絵などの視覚的なパーツを使いながら将来予見されるまちのデザインをシミュレートすることができるということである。視覚的に街並みを体感することで、市民間の意識共有が促進され合意形成へと繋がっていく。また、非常に実践的な内容となっており、まちづくりを始めようとする人が本書を読んですぐにこのゲームを実践できるように、ゲームの手順は細かく記述されている。またパーツも基本データセットが付録CD-ROMに採録されている。さらに、6章には豊富な適用事例も紹介されていて手法の確立を伺わせる。
  誰しも自分のすまいやまちはこうあったらいい、こうなってほしいというイメージを持っているだろう。そして今日では市民自らの手でまちをデザインする可能性も出てきている。本書は、このような住民とそれをサポートする専門家にぜひとも活用していただきたい一冊である。