初めての建築積算

採用者の声


日本工学院八王子専門学校 テクノロジーカレッジ
建築設計科
久本 晴一郎 先生

Q1

『初めての建築積算』を教科書として選ばれた理由は何ですか?

A1
 主に見開きの左ページに論説、右ページに図表という構成でまとめられているため、指導・説明する上で便利である。実務における実積算が演習できる資料も掲載されており、教材として充実している。また、随所に親しみやすいイラストが盛り込まれており、計算に苦手意識のある生徒でも取り組みやすい。

Q2

積算の授業ではどのように指導されていますか?
独自にされている工夫があれば教えてください。

A2
 授業に関しては、取り組んだことに「達成感」を感じてもらえるように進めている。
 積算は特に、他の教科と違って正解(実積算量)は一つしかない。最終積算量と正解との誤差によって成績評価をすることになるので、いわゆる「ピタリ賞」を獲得しようとして熱心に取り組む生徒が見受けられる。授業の最後で正解を発表するたび、生徒が一喜一憂し、時に飛び上がって歓喜する生徒の様子を見ると、指導にあたっている者としての嬉しさを感じる。
 また個人的な工夫として、自分で作成した模型・図面(躯体図)を副教材として授業で使用している。実務における実積算と同じように積算をさせようと、はじめは躯体図だけを作成して使用したのだが、生徒にとっては躯体図そのものが理解しにくいようだった。それならば、とさらに模型を作って指導したところ、理解力がグンと上がって授業も一層スムーズになり、生徒の最終正答率は30%ほど上昇した。
 今後は余裕があれば、構造部材メンバーの読み方についてもぜひ指導したいと思っている。
『初めての建築積算』の学習内容に準拠して自作した模型と図面
※編集部注:図面・模型は本書の付属品ではありません。

Q3

最後に、これから建築積算を学ぶ方に伝えたいことがあれば教えてください。

A3
 生徒には、最初の授業を始める前に必ず、こう伝えている。
「とにかくこの「積算」は嫌われる教科だ。なぜなら、君たちの多くはデザインがしたくて建築を学んでいるのであって、計算をするためではないと感じているからである。 しかしながら、どんなに素晴らしいデザインや施工が行われても、その建物をお客様に購入してもらえなければ、建設会社は成立しない。その基となる値段を算出するために必要なのが「積算」だ。建物をデザイン、施工するためには必要不可欠なスキルであり、ぜひ嫌わずに前向きに取り組んでもらいたい」