わが家をエコ住宅に
環境に配慮した住宅改修と暮らし

書評


『建築士事務所』((社)日本建築士事務所協会連合会) 2002.9

 築27年の中古住宅を環境共生住宅に改修したプロセスと実際に暮らしてみた住み心地と省エネ効果を検証。自然素材の利用、断熱性の改善、自然エネルギーの活用、建物緑化など、専門家兼施主の立場からエコロジカルな住まいと暮らしを紹介している。筆者は大阪ガス潟Gネルギー・文化研究所に勤務する研究者。第1章・永住の住まい探し、第2章・エコハウスへの再生、第3章・建材選びと廃棄物、第4章・室内温度を快適に、第5章・楽しく省エネルギー、第6章・土と緑を身近に、第7章・心ゆたかな住生活と、自らの実践を専門家だけでなく一般の人にも理解できるよう平易に、しかし詳細に記述している。



『チルチンびと』(風土社) No. 22

 「都市から田園に移り住んだエコロジストの隠遁生活」を夢見て、熟年の設計士がリタリアを見越した住まいづくりを日記のように綴った1冊。築27年のRCの中古住宅を、さまざまな専門家と協働して、驚くべきエコ住宅に再生していく。その太陽光発電量は使用量を上回り、余剰分を電力会社に売っている。また、エネルギー消費量は戸建て住宅の41%、太陽熱温水器は年間給湯量の半分を賄えているのだ。現状の都市環境を憂う都心生活者が一度は考える、地方での終の棲家づくり。すべて新品にするわけではなく、必要なところのみ改修し、時間を重ねた表情と共存するライフスタイル……。それこそが正に「エコライフ」の原点であろう。



『新建築住宅特集』(叶V建築社) 2002.8

 建替えのために壊され、ゴミとなっていく住宅が少なくない今日、住宅を長持ちさせるにはどうしたらよいか。環境共生住宅、「エコ住宅」を推進する著者は、自身のこれまでの設計・研究経験を活かし、築27年の中古住宅を購入してエコ住宅に改修。建て主・住まい手として、その実践・自己評価を試みた。本書ではその改修や暮らしのプロセスを、素材の選択、断熱や緑化のノウハウ、雨水利用など、エコロジカルな生活の手法と共に丁寧に解説し、自らの住まいをつくること、四季を肌で感じとる楽しさを語る。われわれの日常生活を少し見直すことで、エコ住宅をつくることやそこでの暮らしが容易なものになることを教えてくれる一冊。