第1回
歴史・文化のまちづくりセミナー
1.「第1回 歴史・文化のまちづくりセミナー」
このセミナーはによる「歴史的遺産の保存・活用とまちづくり」の出版記念会を兼ねて開催されました。(千葉大学名誉教授 大河直躬編著)
- 日 時:平成9年7月2日(7:00〜8:45pm)
- 場 所:文京シビックホール
- 出 席 者:128名
- 講 演 者:大河直躬(千葉大学名誉教授)、金出ミチル
- コーディネーター:三船康道(潟Gコプラン)
講演とパネルディスカッションが行われました。セミナー終了後、懇親会が行われ、70名が参加しました。
2.金出ミチル氏による講演
金出ミチル氏は「米国における近代建築の保存と再生」と題して、米国における歴史的遺産である近代建築、モニュメントなどの保存のこれまでと、現在、そしてこれからについてフィラデルフィアやボストン、ワシントン、ニューヨークなどの事例をスライドを交えながら紹介しました。
これからの米国では権力を象徴する歴史的遺産の保存から、庶民の「思い出」としての歴史的遺産を残すことが重要視されているということを紹介しました。
3.大河直躬 千葉大学名誉教授による講演
大河先生は「歴史的遺産の保存・活用とまちづくり」と題して、栃木県桐生市や千葉県佐原市などにおける近代建築と民家の活用について、あるいはただそれらを活用するだけにとどまらず、それらの保存等を通してまちづくりにまで広がっている事例について、スライドを用いて紹介されました。 今回の講演で日本の保存の歴史を辿りましたが、これだけ保存・再生が進んできた今日において、さらに歴史的遺産の保存・再生を正しく進めて行くためのこれからの課題について、塩尻市の市立の短歌館や松本市の事例をあげて説明されました。 今後は、ただ建物を「もの」として保存するだけではなく、その文化・生活様式などそれを使っていた人々の考えなども伝えていかなければならないという、大河先生の考え方についても紹介されました。
4.パネルディスカッション
パネルディスカッションではセミナー参加者による質問に、大河先生、金出さん、三船氏が 100年前通りを再現した米国のパサディナ等の具体的な事例をあげながら答えました。
参加された方は若い方が多く、皆さん熱心に耳を傾け、予定より時間が延長されましたが、もっと先生方に色々な話を聞きたいと思われた方が多く、参加された方の半分以上がこのあとの場所を変えての懇親会に出席されました。
5.盛り上がった懇親会
最近、このようなセミナーがあまりないとか、保存などの活動におけるネットワーク作るに関する意見がありました。終了後も大河先生を囲んで歓談したり、サインを求められた学生の方が何人もいて、盛況のうちに無事終了致しました。
6.次回の予定
次回の『第2回 歴史・文化のまちづくりセミナー』は、文化庁文化財保護部の苅谷勇雅さんにより「文化財登録制度について」というテーマで行います。また、今回と同じように若手による先進事例をあげた講演も予定しています。日時等が決まり次第御連絡させていただく予定です。
第1回目に参加された方も、ご都合が悪く参加出来なかった方も、是非お誘い合わせの上奮って御参加下さい。
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