イタリアの農業と農村振興

主催 比較住宅都市研究会
※詳細は主催団体等にお問い合わせください。
  • 日時:2025年6月17日(火)18:30~20:30
  • 会場:東京都立大学同窓会 八雲クラブ ニュー渋谷コーポラス10階 1001号室 渋谷区宇田川町12-3
  • 参加費:1000円(学生は500円)、ネット参加600円(学生は無料)
  • 詳細・申込:http://home.g08.itscom.net/ebizuka/

内容

欧州の中でも屈指の農業国として知られるイタリア。先進的なアグリテックや効率性の面ではオランダや北欧諸国が注目される一方で、「農業×文化」の融合によって独自の発展を遂げてきたのがイタリアの大きな特徴である。日本と比較してみると、国土面積は約5分の4、国土の7割以上が山岳地帯で、南北に長く伸びる半島には四季があり、地域ごとに豊かな食文化が息づいている。また、少子高齢化、地方の過疎化、空き家問題、農業従事者の減少といった社会課題も、日本と共通しているところが多く、危惧に止まない。
しかしながら、イタリアの料理や食材は世界中で愛され続け、その生産地や農村は国内外から多くの人々を惹きつけている。なぜイタリアの農村は人を惹きつける力を持っているのか?どのようにして農業に文化的価値をまとわせ、魅力へと昇華させているのか?近年日本でも注目される農泊やグリーンツーリズムとの比較を交えながら、イタリアの農村振興を支える制度や仕組みを紹介する。「農業」という枠を超えて、暮らし・文化・余暇の視点から再構築されたイタリアの地方の魅力。その背景にある考え方や実践をひも解き、今後の地域づくりのヒントを探る。

講師のプロフィール

岡崎啓子氏(Food & Agriculture Communication)
埼玉の兼業農家に生まれ、田畑のある環境や農家の四季の営みを身近に育つ。2000年 東京女子大学 現代文科学部 コミュニケーション学科卒業。イベント制作会社に勤務したのち、スローフード協会が2004年に新設した食科学大学(Universita di Scienze Gastronomiche)食科学学部第1期生として入学。2008年卒業と同時に、高品質なイタリアの食品販売・レストラン・教育事業を行うEATALY社の、当時の本社機能があったトリノに勤務。海外開発部門にて、主に日本向けの商材調達、生産者リレーション、輸出入と通関サポート、PR、イベント企画など幅広く経験する。現在は、イタリアのツーリズムや農村振興の調査・レポートや、ガストロノミーを中核とする地域づくりのコンサルタントを行う。また、日欧をつなぐ社会共同組合JIENに所属し、建築、コミュニティデザイン、地域に根ざした教育、アグロエコシステムの再生などに関わるプロジェクトに取り組む。京都芸術大学通信教育部 食文化デザインコース・ガストロノミーツーリズム 非常勤講師、一般社団法人 日本景在会 海外支部長