図説 建築設備

村川三郎 監修
芳村恵司・宇野朋子 編著

内容紹介

大学・高専・専門学校向けのスタンダードな教科書。建築学生にとって必要な設備の知識が得られるとともに、常に新しい情報に更新される設備の分野において、省エネ・省資源化対策など最新の傾向も踏まえた決定版。2色刷の見やすい紙面構成で多数の図表により理解を促すことができる。一級建築士受験にも対応した演習問題付。

体 裁 B5変・200頁・定価 本体2800円+税
ISBN 978-4-7615-2628-3
発行日 2016/09/15
装 丁 KOTO DESIGN Inc. 山本剛史

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目次著者紹介まえがき電子版採用特典教材

1章 建築設備と環境・エネルギー

1・1 建築設備
1・2 建築の環境負荷
1・3 建築と環境共生
1・4 エネルギーの消費
1・5 建築における省エネルギー
1・6 再生可能エネルギーの利用

2章 空気調和設備

2・1 空気調和設備の基礎知識
2・2 空気調和システム
2・3 熱源方式
2・4 空気調和装置
2・5 空気搬送系
2・6 空調配管系
2・7 自動制御設備
2・8 空調設備の省エネルギー

3章 給排水衛生設備

3・1 給排水衛生設備の概要
3・2 給水設備
3・3 給湯設備
3・4 排水・通気設備
3・5 衛生器具設備
3・6 排水処理・雨水利用設備
3・7 ガス設備

4章 電気設備

4・1 電気設備の基礎知識
4・2 受変電設備
4・3 予備電源設備
4・4 幹線設備
4・5 分岐回路
4・6 動力設備
4・7 照明設備
4・8 コンセント設備
4・9 情報通信設備
4・10 雷保護設備
4・11 接地設備

5章 搬送設備

5・1 エレベーター設備
5・2 エスカレーター設備

6章 防災設備

6・1 消防用設備
6・2 自動火災報知設備
6・3 誘導灯設備
6・4 非常用照明設備
6・5 非常警報設備
6・6 ガス漏れ警報設備
6・7 消火栓設備
6・8 スプリンクラー設備
6・9 その他の消火設備
6・10 排煙設備

7章 設備関連技術

7・1 設備の実際と今後
7・2 設備計画と建築構造
7・3 建築設備の品質と保全
7・4 エネルギー政策と今後の動向

監修者

村川 三郎

広島大学名誉教授
1969年東京工業大学大学院理工学研究科修士課程修了、工学博士。1969年~㈱竹中工務店、1978年~広島大学工学部、同大学院工学研究科を経て現職。放送大学広島学習センター客員教授(2008~2013年)、広島大学サステナブル・ディベロップメント実践研究センター特任教授(2010~2013年)。一級建築士。
著書に『給水設備の負荷設計』(共著)『建築設備学教科書』『給排水・衛生設備計画設計の実務の知識』『水辺のまちづくり』(以上、分担執筆)ほか。

編著者

芳村 惠司

武庫川女子大学、京都精華大学 非常勤講師
1968年名古屋工業大学大学院修士課程修了、博士(工学)。1968年~㈱竹中工務店、2001年~㈱サンウェル・ジャパンを経て現職。関西ESCO協会理事・事務局長、近畿経済産業局国内クレジット制度関連委員会委員長などを務める。一級建築士、設備設計一級建築士、建築設備士。
著書に『産業と電気』。

宇野 朋子

武庫川女子大学生活環境学部建築学科 講師
2004年京都大学大学院工学研究科博士後期課程修了、博士(工学)。東京文化財研究所、電力中央研究所を経て現職。著書に『設計のための建築環境学』(共著)ほか。

著者

田邊 陽一

大阪府住宅まちづくり部公共建築室 副理事
1980年京都大学工学部航空工学科卒業、三菱自動車工業㈱を経て、1983年大阪府庁入庁、現在に至る。技術士(衛生工学部門(空調)、総合技術監理部門)、弁理士。

永村 一雄

大阪市立大学 大学院生活科学研究科 教授(研究科長)
1980年東京理科大学理工学部建築学科卒業、工学博士。2000年大阪市立大学生活科学部居住環境学科教授、2003~2004年大阪市住宅局参事(兼務)、現在に至る。空気調和・衛生工学会 技術フェロー。
著書に『拡張アメダス気象データ』(共著)。

ファーナム・クレイグ

大阪市立大学大学院生活科学研究科 准教授
1994年Univeristy of Maine(USA)機械工学科卒業、2011年大阪市立大学大学院博士課程修了、博士(工学)。2013年大阪市立大学大学院、現在に至る。工学会設備士(空気調和・衛生工学会(空調))。

近本 智行

立命館大学理工学部建築都市デザイン学科 教授
1994年東京大学大学院博士課程修了、博士(工学)。1994年日建設計(環境計画室)を経て、2004年立命館大学、現在に至る。技術士(衛生)。著書に『改訂版 建築物の環境配慮技術手引き』(共著)『見る・使う・学ぶ 環境建築』(共著)ほか。

李 明香

九州大学大学院人間環境学研究院都市・建築学部門 助教
2014年京都府立大学大学院生命環境科学研究科環境科学専攻博士課程修了、博士(学術)。立命館グローバル・イノベーション研究機構専門研究員(2014~2016)を経て、現在に至る。

坂本 和彦

岡山理科大学工学部建築学科 教授
1979年京都大学工学部建築学科卒業、㈱竹中工務店を経て、2015年より現職。博士(工学)、設備設計一級建築士、技術士(衛生工学部門)。

中野 幸夫

関東学院大学理工学部電気学系 教授
1981年名古屋大学大学院博士前期課程電気工学専攻修了、電力中央研究所を経て、2014年より現職。博士(工学)。

安藤 康司

三菱電機㈱関西支社 ビルシステム部 営業技術課2006年電気通信大学電気通信学部知能機械工学科卒業。2006年三菱電機㈱入社、現在に至る。

本書は、大学、工業高等専門学校などで建築学を専攻する学生諸君を対象とした教科書として書かれたものであるが、内容的には、国家資格である一級建築士の受験を目指す参考書としても、その目的を十分果たせるように編纂している。

近年の建築設備の複雑化、高度化は著しい。建築物において、従来から建築設備に求められてきた機能である安全性、快適性、衛生性、利便性などを満たす設備要素について、機械設備を例に挙げるなら、それぞれ防災設備、空気調和設備、給排水衛生設備、搬送設備などが主な設備として役割を担ってきている。これらの各設備の計画設計に当たっては、当然対象とする建築物に対して特長を活かした最適化が求められることはいうまでもないが、今日ではこれらの設備要素を総合化し、外部へ及ぼす負荷を最小化する環境性、さらには経済性(採算性)などが計画設計条件として要求されてきている。地球温暖化現象への危惧、資源の枯渇問題を考えるなら、省エネルギー・省資源化を図り、環境負荷の低減を求めるサステイナブルな建築の構築を進める上で、その主体となる建築設備が占める位置は重要である。

また、建築設備の品質確保と維持管理保全は、信頼性、運転コストの削減に大きな影響を及ぼす。したがって、建築設備の計画設計・施工に係わる技術者だけでなく、建築計画設計、建築構造設計および施工に携わる人々も、建築設備に関する基礎知識の取得は必須である。低炭素社会に向けたサステイナブルな建築の普及を図っていくためには、意匠設計を含めた四者による協同が、建築の企画・計画設計の段階から求められる。

本書では、学生諸君の教科書として、建築の意匠・計画・構造・設備といった分野に限定せずに、建築学を学ぶ初学者が容易に理解できるように図表を多用し、平易に解説するように努めた。また、サステイナブルな建築に向けた建築設備の役割、特に環境負荷低減のための省エネルギー・省資源化の動向、考慮すべき計画設計についてページを割いた。さらに、建築学専攻では疎遠となりがちな電気設備、搬送設備について、類似の書には見られない内容を多く盛り込み、建築設備全体として最適な計画設計が指向できるようにした。

本書が、建築を学ぶ学生諸君および実務に携わる人びとにとって、きっと有用なものになることを願ってやまない。

2016年7月

村川三郎

広島大学名誉教授

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