ようこそ建築学科へ!

五十嵐太郎 監修

内容紹介

建築学科と言っても大学、高専、専門学校、住居系、芸術系、工学部系はどう違う?そんな学科紹介に始まり、授業と課題に取組むツボや“建築的”日常生活、学外での建築体験、そして将来設計まで、知れば知る程のめり込む、ハードだけどハッピーな建築学生ライフのススメ。学生生活のあらゆる場面でためになるアドバイス満載。

体 裁 四六・216頁・定価 本体1800円+税
ISBN 978-4-7615-1336-8
発行日 2014/04/01
装 丁 フジワキデザイン

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1章 学科紹介

建築学科で学ぶこと
建築の周辺学科
女子大の建築学科
工学部で学ぶ建築、芸大で学ぶ建築
高専という選択
専門学校で学ぶ建築
地方で学ぶ? 都心で学ぶ?
文系学部からの転向
社会人学生になる
建築学科で取れる資格
建築士の資格について
先輩建築家インタビュー まわりの評価より、自分の興味を突き詰めよう 佐藤光彦
在校生・卒業生メッセージ 私が建築学科を選んだきっかけ

2章 授業・課題

入学したら

一般教養、外国語の学び方
建築学科の必須科目
教科書との出会い
知っておきたい建築家
眠い授業の楽しみ方

少し慣れてきたら

建築雑誌の読み方
図書館・書店を活用せよ
全ての課題には背景がある
先輩や友達を手伝おう
建築学生必携ガジェットはこれだ

専門科目が始まったら設計課題の苦手意識をなくそう

構造を学ぼう
設備を学ぼう
講評会、こう準備すれば怖くない
コンピュータは設計にどう活かせるか

卒業が近づいたらゼミ選びはビビビッで

院試が近づいてきたら
卒業論文の極意
卒業設計の極意
留学って難しいの?
先輩建築家インタビュー 心に残る授業、座右の教科書 乾久美子
在校生・卒業生メッセージ 思い出の課題──自分の武器をつくるための演習

3章 日常生活

一人暮らし? 実家暮らし?
シェアハウスに住んでみよう
自炊をしよう
体育会系部活との両立
建築女子学生の日常生活
飲めても飲めなくても、お酒は楽しく
建築人らしいファッション
恋をしよう
デートをしよう!
接客業のススメ
先輩建築家インタビュー 大学の外に刺激を求めた学生生活 永山祐子
在校生・卒業生メッセージ 徹夜の輝き

4章 建築体験

身近にある街建築を「読む」
写真を撮ると、建築がよく見える
オープンハウスに行こう
住宅展示場のススメ
団地の楽しみ方
日常生活に「ドボク」の楽しみを
建築のエネルギーを見てみよう
建築をインテリアから楽しもう
夏休みは建築巡礼旅行
集落を訪ねてみよう
見ておきたい日本建築
一生ものの建築体験
施工現場を体験してみよう
先輩建築家インタビュー 一歩、外へ出よう──体験から学べること 西田司
在校生・卒業生メッセージ 私たちの施工体験

5章 課外授業

ネットの使い方
物と向き合う
観るべき映画/読むべき漫画
音楽から学べること
学外の講評会に参加しよう
レクチャーに行ったら懇親会にも出よう
勉強会なんかは、絶対にやらない方がいい
イベントを起こそう
同人誌をつくろう
オープンデスクに行こう
海外インターンのススメ
コンペに応募しよう
ポートフォリオは建築家のはじまり
先輩建築家インタビュー 批評されることで成長する 大西麻貴
在校生・卒業生メッセージ 私のコンペ体験

6章 将来設計

建築学生の武器とは
歴史を知り未来をつくる、建築家
構造家の使命
設備家に寄せられる期待
研究職の役割
組織事務所で働く醍醐味
地方で働く魅力
建築と不動産をつなぐ新領域
建築を伝える、ジャーナリストの仕事
建築と人をつなぐ、まちづくりの仕事
先輩建築家インタビュー 建築家成り上がり 山田幸司
在校生・卒業生メッセージ 私の将来設計

〈監修者〉

五十嵐太郎(いがらし たろう)

1967年生まれ。建築批評家、建築史家、東北大学大学院教授。

〈編著者〉

松田 達(まつだ たつ)

1975年生まれ。建築家。松田達建築設計事務所主宰、東京大学助教。

南泰裕(みなみ やすひろ)

1967年生まれ。建築家、国士舘大学理工学部教授、アトリエ・アンプレックス主宰。

倉方俊輔(くらかた しゅんすけ)

1971年生まれ。建築史家、大阪市立大学大学院工学研究科准教授。

北川啓介(きたがわ けいすけ)

1974年生まれ。建築家、名古屋工業大学大学院工学研究科准教授。

建築学科にようこそ。

本書は学部生のためのオリエンテーション・ブックである。とはいっても、履修の方法を説明する堅苦しいものではない。建築を学ぶとはどういうことなのか、普段の日常生活で心がけるべきこと、学外の活動などを幅広く紹介するものだ。大学の公式のオリエンテーションでは説明されないことが満載である。したがって、建築の学生、あるいは進学を考えている高校生に読んでもらいたい。ただ、筆者は1980年代の後半に学部生だったが、当時は建築の勉強よりも、バンドを一生懸命やっていたから、あまり偉そうなことは言えない。今にして思えば、もっとちゃんとやっておけば良かったと後悔することばかりだ。とはいえ、大学で教えるようになって10年、現場で様々な学生を見てきた。アドバイスできることは多い。本書は学芸出版社の井口夏実さんの依頼を受けて、筆者を含む建築系ラジオのメンバーが各章ごとのコーディネーターとなって企画された。なお、建築系ラジオとは、学生向けにネットで音声配信するメディアである。

本書の構成を説明しよう。一章の「学科紹介」は、まずは入り口として、そもそも建築系の学科がどのようなところなのかを解説している。第2章の「授業・課題」は、1年から4年まで、学年ごとにどのような建築のつきあい方があるかのガイダンスだ。3章の「日常生活」では、アルバイト、部活、暮らし方、デートなど、学外の出来事を取り上げる。四章の「建築体験」は、街歩きや旅行に始まって、有名建築、団地、土木、住宅展示場などの楽しみ方だ。本物の建築は現地にしかないから、体験するには自ら足を運ぶしかない。5章の「課外授業」では、ネット、コンペ、オープンデスク、イベントなど、やはり授業以外で建築に取り組むことができるトピックを扱う。そして6章の「将来設計」は、建築家や研究者など、進路についてである。また各章の間には、若い人による現場の声として「在校生・卒業生メッセージ」と、現在活躍している建築家に学生の頃のエピソードをうかがう「先輩建築家インタビュー」を挟んだ。

本書が様々な可能性にあふれた学生生活の手助けになれば、幸いである。

五十嵐太郎

建築学科には独特の魅力がある。多分、みなさんもその魅力に気づいて建築学科に入ったのだろう。あるいは何かその魅力を感じ始めて、本書を手にとったのかもしれない。

いったい建築とは、どういう学問だろうか? 理系なのに、数学をほとんど使わなくてよいし、歴史学もある。巣立った建築家は、建築も建てるが、難しい文章もたくさん書く。芸術の一種なのに工学部にあり、工学なのに芸術系学部にもある。理系、文系、芸術系のどれでもない、いやそのいずれとも言える、不思議な学問だ。建築学科に入った多くの学生は、次第にその一筋縄ではいかない「建築」の魅力に、惹きつけられていくだろう。

自分自身が学生の時、このような本があれば嬉しかった。筆者は学部が都市工学科で、修士から建築に移ろうとしたが、建築学科について教えてくれる人がなかなか見つからず不安だった。本書があれば、その不安は解消されていただろう。そのように本書は、いま建築学科にいる人はもちろん、これから建築学科に入ろうと思っている人、ぼんやり建築に興味を持っている人等、少しでも建築学科に興味を持った人に、読んでもらいたい。

この本は、リアルな建築学生の「知りたい」という好奇心から始まっている。2011年1月、学芸出版社の井口夏実さんから最初のお話をいただき、現役建築学生の建築系ラジオスタッフとともに、項目を挙げるブレストが行われた。次第にそれらはテーマに分類され、四年間のタイムラインに沿って整理され、現在の目次に近づいていった。各章のコーディネートは、建築系ラジオのコアメンバーが担当した。二〇〇九年に他界した山田幸司さんも、最後に登場している。監修の五十嵐太郎さんには、あらゆる場面で助言いただいた。各項目は、コーディネーターを通し、総勢80人にも及ぶ建築界のリアルな担い手に執筆いただいた。装丁は、建築学科出身のイラストレーターである寺田晶子さんにお願いをした。そして特に、編集の井口さんには、企画から世に出るまで実に根気よく丁寧に調整をしていただき、また不慣れな筆者にいつも的確なアドバイスをしていただいた。

他にも本書に関わった全ての皆様に、心から感謝申し上げたい。そして本書が、学生生活に少しでも役に立てば、これほど嬉しいことはない。願わくは、建築学生のバイブルとならんことを。

松田 達

※終了しました

出版記念トークイベント・建築系ラジオ公開収録

「ようこそ建築学科へ!──公開オリエンテーション」

4/19(土)15-20時@新宿ホワイトハウス(カフェアリエ)

趣旨

磯崎新さんの幻の処女作と言われる新宿ホワイトハウス(現カフェアリエ)にて、 建築系ラジオの公開収録を行います。ホストやコメンテータ(執筆者やゲスト)には建築学科の特徴、各大学の特色、授業や課題をこなすコツ等、本にまつわるあれこれのほか、学生時代のエピソードも、思う存分語っていただきましょう。
新入生から大学院生、社会人まで、“建築学科に興味がある”、または今の“建築学科をもっともっと楽しみたい”皆さま、お気軽にお立ち寄りください。学生の皆さんの飛び入り発言も大歓迎です。たくさんの方のご参加をお待ちしております。

概要

  • 日時:2014年4月19日(土)15:00-20:00
  • 会場:カフェアリエ/新宿ホワイトハウス(磯崎新幻の処女作)

    トップ


    〒169-0073 新宿区百人町1-1-8
    電話03-3209-8686

  • 申込:不要
  • 会費:カフェにてお1人1000円程度の注文をいただけますようお願いいたします。

およそのタイムテーブル

15:00-16:00 ホスト/倉方俊輔
16:00-17:00 ホスト/北川啓介
17:00-18:00 ホスト/松田達
18:00-19:00 ホスト/南泰裕
19:00-20:00 ホスト/五十嵐太郎
20:00- 打ち上げ(同じくカフェアリエにて。費用別途)

参加予定コメンテータ(順不同)

高濱史子さん、饗庭伸さん、磯達雄さん、高橋堅さん、和田吉史さん、冨永美保さん、樫原徹さん、中村航さん、近藤洋輔くん、堀井義博さん

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