建築製図


大西正宜・武田雄二・前田幸夫 著

内容紹介

建築家出江寛設計の住宅を題材に基本を学ぶ

建築物を利用する主体〈人間〉を中心に据えて学ぶ、新しい建築学シリーズ。建築製図では、実在する建築物(朧月夜の家、設計:出江寛)を題材に、企画から図面完成にいたる過程を示すことで、初学者が具体的に理解できるよう工夫した。建築製図の基礎、図形の表現と投影法、空間の表現方法、CADシステムなど、基本事項も網羅している。


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出江寛設計「朧月夜の家」/写真撮影:大西正宜


体 裁 A4・128頁・定価 本体3000円+税
ISBN 978-4-7615-3106-5
発行日 2002-11-30
装 丁 上野 かおる

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目次著者紹介まえがきあとがき

序 章

建築空間の伝達 ― アンネの隠れ家
建築空間ができるまで ― 「朧月夜の家」

第1章 建築製図の基礎

[1]製図用具と使い方

1 筆記用具
2 定規・スケール
3 コンパス・ディバイダー
4 製図板
5 製図用具の使い方と線の引き方

[2]建築製図の約束ごと

1 図面
2 文字
3 尺度
4 寸法の単位
5 線
6 位置の表示
7 表示記号

第2章 図形の表現方法と投影法

[1]図形の表現方法

1 分割
2 正多角形の作図方法
3 曲面の作図
4 展開
5 切断
6 相貫

[2]投影法による立体の表現方法

1 正投影法
2 軸測投影図法
3 斜投影法
4 透視投影法
5 陰影法

第3章 建築空間の表現法

[1]エスキース

1 エスキースの目的
2 エスキースの練習

[2]ドローイング

1 ドローイング図面の分類
2 各種図面の描き方

[3]レンダリング

1 立体感とテクスチャ
2 点景と環境
3 図面への着彩

第4章 CADシステムの活用

[1]CADの概要

[2]CADシステムの基礎知識

1 ハードウエア
2 ソフトウエア

[3]CADシステムによる建築製図

1 CADシステムによる製図の流れ
2 CADシステムによる製図の特徴
3 CADソフトの基本機能

[4]2次元CADシステムによる建築製図

1 作成の方針
2 作成の手順

[5]3次元CADシステムによる建築製図

1 モデリング
2 レンダリング

参考文献

大西正宜

1981年大阪大学工学部建築工学科卒業,著書に,『環境と共生する建築 25のキーワード』(学芸出版社,1999),『初めての建築環境』(共著,学芸出版社,1996),『初めての建築法規』(共著,学芸出版社,2001)他

武田雄二

1978年名古屋工業大学大学院建築学専攻終了,工学博士,著書に,『建築施工』(実教出版),『新版 新しい建築製図』(共著,学芸出版社,1991),『新建築設計ノート CADの進め方』(共著,彰国社,1994)他

前田幸夫

1972年日本工業大学工学部建築学科卒業,著書に,『建築計画』(実教出版),『新版 新しい建築製図』(共著,学芸出版社,1991),「初めての建築シリーズ」(共著,編集委員代表,学芸出版社,1996,2001)他

かつて,知人の令嬢が所属する市民劇団の公演で「アンネの日記」を鑑賞したおりに,一種の職業病のためか,演技そっちのけで舞台装置に興味を惹かれ見入ったことがある.後日,書棚の隅に追いやっていた文庫本をとりだして読み直してみた.わずか13歳で外界と遮断された世界で暮らす彼女が,自らと語りながら「隠れ家」について書き綴った文章から,その閉ざされた空間を改めて思い浮かべるためである.目的は異なるが,“かたち”あるものを第三者に正確に伝えるということは,なかなか難しいことである.

本書を手にする学生諸君の多くは,今までに複雑な図面を描いた経験が無いかもしれない.慣れない製図用具を使って,設計製図の基本的な作法を修得するには,それなりの心構えと覚悟が必要である.本書の執筆にあたっては,建築空間の“かたち”を創造し,表現し,伝達する一連の流れを,初学者が理解しやすいように,従来と異なった切り口でより具体的にわかりやすく示すことに意を注いだ.一般に初学者向けの製図テキストは,単純なプランを模写することが多いが,建築物としての機能性のみならず,常に建築美を追求する姿勢を,建築学を学ぶ初期の段階から意識できるように,本書ではあえて秀作をとりあげた.  入門書というものは,学習が進めば不要なものとなる宿命を帯びている.諸君の学習が進み,より早い時期に本書が書棚の隅に追いやられることを願うものである.

本書を編むにあたり,出江寛先生には快く資料をご提供いただき,取材に対してスケッチを交えながら丁寧にご教授いただき,ときには建築について熱く語っていただきました.写真をご提供いただいた澤田清ご夫妻には,ご無理を申し上げアンネ・ハウスまで足を運んでいただきました.そのほか,建築をこよなく愛した多くの先達,資料をご提供いただいた皆様,ならびに編集にご尽力いただいた株式会社学芸出版社の吉田編集長と村田譲さんはじめ編集部の皆さんに,心より感謝の意を表します.

2002年10月  著 者 一 同

なし

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