スタンダード 一級建築士 2015年版


はじめに 

 「一級建築士試験」は、建築士法第4条に基づき建築物の設計・工事監理を行う技術者の業務の適性をはかり、技術水準を確保する目的で、国土交通大臣が実施する国家試験で、平成20年11月末に改正建築士法が施行され、平成21年度より新制度の下に建築士試験が実施された。これに合格すれば、「一級建築士」として、すべての建築物の設計・工事監理ができるとともに、構造設計一級建築士・設備設計一級建築士の資格取得のためにも必要な、社会的責任が非常に大きな資格であるといえる。
 「一級建築士試験」は、学科および設計製図について筆記試験により行われる。学科試験は、「計画」「環境・設備」「法規」「構造」「施工」の5科目に分けて実施され、この学科試験に合格した者に限り設計製図の試験が受けられる2段階方式である。よって、第一関門である学科試験をクリアすることが重要となる。
 以上のことから、本書は、学科試験の受験のために短時間で能率的に学習が進められるように次のことに力を注いだ。

 @全学科の講義と最近3年分の過去問をまとめたことにより、1冊ですべての学習ができる。すなわち、講義部と年度版部(過去問部)とをキャッチボールしながらより一層理解を深められるように配慮したので、受験の基本学習と過去問チェックをしたい人には最適である。
  なお、過去問部では、試験問題の五者択一から四者択一への変更に対応して、効果的な学習ができるように配慮した。
 A講義部の下部には、その項目に関する問題を掲載し、その項目の理解度をチェックできるようにした。解答も各選択肢ごとに出来る限り詳しく解説して、正誤についても理解しやすくした。また、頻出問題や注意問題などの区別をつけた。
 Bその項目に関する「重要語句」「覚えておこう」「ここに注目」などの囲みを多用し、理解を深めるための変化をつけた。
 C各項目の後ろにイラストを入れ、その項目の出題傾向を示し、各見出しの前には重要度を記載したりして、楽しく学習するための「遊び心」も取り入れた。

 これらの内容を限られたページ数の中で一級建築士を目指す者にとって必要な内容を精査し、確実に力がつくように構成した。また、本書は、受験準備の総仕上げに、社内教育用・講習会用のテキストとしても十分対応できる内容を備えていると確信している。
 本書を活用され、1人でも多くの方々が一級建築士に合格されますことを願ってやまない。
著者一同