聴く! 技術士二次試験 一発合格のツボ



おわりに


 これから、あなたの真剣勝負が始まります。
 途中、仕事も多忙を極めるでしょう。完璧な体調が約束されている訳でもないでしょう。一方、時は容赦なくあなたを置き去ろうとします。
 時間の無い今のあなたに必要なのは、効率的な学習法です。真剣勝負の行方は、これを発見し実践することにかかっていると言っても過言ではありません。
 したがって、学習法が馴染まず、試行錯誤の期間が長引くと、焦燥感に駆られそうになります。しかし、焦ることはありません。あなたのその足掻きは、決して無駄なものではないからです。なぜなら、探しものというのは、足掻きに足掻いている中で、不意に見つかるものだからです。
 気付きは一瞬ですが、その大切な瞬間を迎えるには、その前提として無駄な努力、無駄な時間が必要です。しかもそれらは大量に必要となるのです。
 ですから、なかなか調子に乗らない、成果が出ないからといって焦ったり腐ったりするのは見当違いです。“必要な無駄”というものがあることを知っているのなら、イライラして机に向かう気持ちになれないのなら、まずは机に向かうこと。机に向かってもノートを開くのが億劫なら、まずはノートを開くこと。
 いずれ訪れるその瞬間を待ちながら、不器用でも不格好でも、暗中模索を続ければ良いのです。タフに、したたかに、今の苦境を乗り切りましょう。
 蓮は、花は神々しくとも、その茎や根は、長い冬の間ずっと泥に塗れ、池の底深く沈んでいます。しかし、やがて訪れる初夏のひと時、ポンッと軽い音を立てながら、梅雨空に向けて、大輪の花を開くのです。
 最後に、学芸出版社兜メ集部の井口夏実様へ。拙い原稿に対し根気強く貴重なご指摘、助言を下さいました。そして中木保代様へ。当初から本書の発行にご期待頂きながら、何度も締め切りを守れず、ご迷惑をおかけ致しました。
 あなた方に、こうして再び読者の方にお届けすることを叶えて頂きました。
 深く感謝いたします。ありがとうございました。

平成30年10月11日
山崎 恭司