一級建築士設計製図試験 ステップで攻略するエスキース


終わりに代えて

約4割が合格する製図試験

一級建築士は、業界では最高位の資格であると共に、住宅以上の建築物を設計していく上では最低限必要な資格です。建築設計業務に携わっていれば、あとは少し製図試験用の考え方を理解すれば、約4 割の方々が合格するという、そう難しくはない試験です。
そして本書を手に取られた方の大半が、製図試験よりはずっと合格率の低い学科試験を突破されてきた方、もしくはその予定の方でしょう。

あなた自身のエスキース手法を!

しかし多くの方が「製図試験だけは学科試験のようにはいかない」と、友人や先輩から聞かされてきていると思います。本書で全編にわたって解説してきたように、未だこの製図試験への学習研鑽方法が完成されていないことに大きな問題があると考えています。特に基礎もできていないのに、問題ばかりを解いて一式図を仕上げるようなやり方は、解けないトラウマを植え付けること、やる気を削ぐことを助長しています。是非あなたは本書を片手に、あなた自身のエスキース手法を完成させてください。

終わりのない探求の旅へ

製図試験.comでは、「建築する」という言葉を「情報を集めて、カテゴリに分類して、使える形に作り込むこと」と定義しています。何も建物を作るだけが建築することではなく、もっと広義の可能性を信じてそのように定義しています。そして、そのスタートラインが本書であり、そして製図試験だと位置づけています。製図試験で建築の学習研鑽が終わるのではなく、いよいよ建築する切符を手に入れ、終わりのない探求の旅へと向かっていくことになります。
そのスタートラインとなる本書ですが、学芸出版社の担当である中木さんの辛抱強い協力なくしては、この世に出ることはなかったと思います。このテキストの企画を持ち込んでから3年越しであり、このレベルではダメです、この内容では出せません、と紆余曲折をくり返す中、ようやく出版までこぎつけることができました。
最後になりましたが、様々なレベルで気づきを与えてくれた製図試験.com 受講生の皆さん、そして献身的な家族の協力に心から感謝いたします。
この一冊があなたの合格への扉となることを祈りつつ。
平成29年6月吉日
製図試験.com 代表 山口 達也