ぼくらがクラウドファンディングを使う理由
12プロジェクトの舞台裏

●監修者

佐藤大吾(さとう・だいご)
一般財団法人JapanGiving代表理事。1973年生まれ。大阪大学在学中に議員事務所でのインターンシッププログラムを提供するNPO法人ドットジェイピーを設立。2010年3月より、クラウドファンディングサイト「JapanGiving」を開始。著書に『1.21人に1人が当選! "20代、コネなし"が市議会議員になる方法』(ダイヤモンド社)、共著書に『初歩的な疑問から答える NPOの教科書』(日経BP社)『若手知事・市長が政治を変える: 未来政治塾講義I』(学芸出版社)など。

●編著者

山本純子(やまもと・じゅんこ)
株式会社アーツ・マーケティング代表。1974年生まれ。1997年に慶応義塾大学美学美術史学専攻を卒業後、ゲーム会社マーケティング・マネージャー職を経て 2009年同大大学院アート・マネジメント分野修士過程に入学、同年独立。クラウドファンディングを含むデジタル戦略の講演、コンサルティングなどを行う。著書に『入門クラウドファンディング スタートアップ、新規プロジェクト実現のための資金調達法』(日本実業出版社)。

佐々木周作(ささき・しゅうさく)
大阪大学大学院経済学研究科博士後期課程、および日本学術振興会特別研究員。1984年生まれ。京都大学経済学部卒業後、株式会社三菱東京UFJ銀行を経て現在に至る。専門は応用ミクロ計量経済学、行動経済学。

●インタビュイー

1 地元の食材「なまり節」を全国に届けたい
小川悠 さん 一般社団法人i.club代表理事
(おがわ・ゆう)1988年生まれ。2013年東京大学大学院工学系研究科修士課程修了。東日本大震災をきっかけに、地域における若者の地域離れを実感。その解決のための新たな仕組みづくりをイノベーション教育を通じて目指す一般社団法人i.clubを2012年に立ち上げ、統括する。2014年からは自身も修了した東京大学 i.schoolにも教職員として携わる。

2 古生物・モササウルスの研究を続けたい
山下桃 さん 東京大学大学院理学研究科博士後期課程
(やました・もも)1989年生まれ。2011年東京学芸大学教育学部卒業、2013年同大学修士課程を修了したのち1年間中学・高等学校で地学の非常勤講師を勤める傍ら東京学芸大学の個人研究員として古生物学研究を続ける。2014年に東京大学大学院博士課程に進学し、現生の動物をもとに古生物の生態復元を試みている。

3 組み立て式ロボットを商品化したい
石渡昌太 さん 機楽株式会社代表
(いしわたり・しょうた)1984年生まれ。2004年石川工業高等専門学校機械工学科卒業。2006年電気通信大学知能機械工学科卒業。2011年機楽株式会社を設立。2013年にはロボット組立キット「RAPIRO(ラピロ)」を発表し、クラウドファンディングによって約1700万円を調達。その製品化を実現した。
杉山耕治 さん 株式会社ミヨシ代表取締役
(すぎやま・こうじ)1977年生まれ。2001年東海大学工学部卒業ののち、三井造船環境エンジニアリングを経て2003年株式会社ミヨシに入社、金型設計、金型製作、射出成形の技術を習得して2012年に代表取締役就任。技術士(機械部門)、日本技術士会機械部会幹事(2016年現在)、日本機械学会2014年度関東支部技術賞受賞。

4 バドミントン世界ツアーに挑戦したい
池田信太郎 さん 元プロバドミントン選手
(いけだ・しんたろう)1980年生まれ。5歳でバドミントンを始め、2007年の世界選手権で日本人男子初のメダルを獲得。北京(2008)、ロンドン(2012)と2大会連続でオリンピック出場。2015年9月の現役引退後は株式会社エボラブルアジアに所属し、BWFアスリートコミッションメンバー、日本リーグアンバサダー、北九州市スポーツ大使などを務める。

5 みんなで使えるオフィスと図書室をつくろう!
中村真広 さん 株式会社ツクルバ代表取締役CCO
(なかむら・まさひろ)1984年生まれ。東京工業大学大学院建築学専攻修了。不動産デベロッパー、展示デザイン会社を経て、2011年、実空間と情報空間を横断した場づくりを実践する、場の発明カンパニー「株式会社ツクルバ」を共同創業。建築・不動産・テクノロジーを掛け合わせた事業を展開している。

6 市民のチャレンジを行政が応援します!
田中徹 さん 島根県庁勤務
(たなか・とおる)1974年生まれ。1997年広島大学卒業。2009〜2013年まで都市から地方への移住交流、中山間地域対策業務、現在は商工労働部産業振興課勤務。
田中壮一 さん 島根県庁勤務
(たなか・そういち)1983年生まれ。2005年島根大学卒業。島根県庁勤務、現在は地域振興部しまね暮らし推進課でUIターンの推進等の仕事に取り組む。
吉田篤史 さん 元・島根県庁勤務
(よしだ・あつし)1991年生まれ。2014年東京大学卒業。島根県庁勤務ののち、現在は総務省地域力創造グループに勤務。

7 革新的なミュージックビデオをつくりたい
川村真司 さん PARTYクリエイティブ・ディレクター
(かわむら・まさし)クリエイティブ・ラボPARTY共同創設者。ブランドのグローバルキャンペーンを始め、テレビ番組開発、ミュージックビデオの演出などを手掛け、アメリカの雑誌Creativityの「世界のクリエイター50人」やFast Company「ビジネス界で最もクリエイティブな100人」、AERA「日本を突破する100人」に選出。

8 全市民に市政報告書を届けたい
木村亮太 さん 枚方市議会議員
(きむら・りょうた)1984年生まれ。2007年大阪大学経済学部卒業。化粧品を扱うベンチャー企業に就職し、その後、2010年に政治の世界への挑戦を決意し、退社。2011年の枚方市議会議員選挙にて、特定の団体の支援も受けず、無所属で、利益誘導型政治ではなく未来に責任を持った政治を訴え、初当選。2015年現在2期目。

9 だれもが利用できる病児保育サービスをつくろう
高亜希 さん NPO法人ノーベル代表
(こう・あき)2003年関西学院大学卒業、JTB・リクルート勤務。子育てを理由に退職する同僚から仕事との両立の難しさ、病児保育問題を知る。認定NPO法人フローレンスで修業後、2009年ノーベル設立。出産後も当たり前に働ける社会を目指し関西初の共済型・地域密着型病児保育事業を開始。(財)日本病児保育協会・理事。
北村政記 さん NPO法人ノーベルファンドレイザー
(きたむら・まさき)2003年同志社大学卒業後(株)ベネフィット・ワンに入社、法人営業に従事。2011年ノーベルにボランティアとして参画し、2年後に正社員として専従ファンドレイザーに就任、「ひとりおかんっ子応援団プロジェクト」を担当。2014年第28回人間力大賞ファイナリスト、まちづくり市民財団奨励賞受賞。

10 会田誠の展覧会づくりに参加しませんか?
片岡真実 さん 森美術館チーフ・キュレーター
(かたおか・まみ)ニッセイ基礎研究所都市開発部文化・芸術プロジェクト担当研究員、東京オペラシティアートギャラリー・チーフキュレーターを経て、2003年1月より現職。2007年から2009年までヘイワードギャラリー(ロンドン)のインターナショナル・キュレーター兼務ほか、海外の展覧会等でゲストキュレーター、アーティスティックディレクターを務める。

11 ケニアの診療所を存続させたい
宮田久也 さん NPO法人チャイルドドクター・ジャパン理事
(みやた・ひさなり)1976年生まれ。NGO職員・社会起業家。立命館大学法学部卒。ケニアのナイロビで、医療支援を目的とするNPO チャイルドドクター・ジャパン の現地代表を13年にわたり務める。

12 未知を描き、対話を生むドキュメンタリー映画づくり
佐々木芽生 さん ドキュメンタリー映画監督
(ささき・めぐみ)青山学院大学文学部仏文科卒業後、フリーのジャーナリスト、NHKのキャスター、レポーターを経て2008年、初監督作品「ハーブ&ドロシー 」、2013年に続編「ハーブ&ドロシー2 ふたりからの贈りもの」を手がけ、現在は捕鯨問題の長編ドキュメンタリーを製作中。1987年以来NY在住。