美味しい田舎のつくりかた
地域の味が人をつなぎ、小さな経済を耕す


目次


1 生きている素材から、極上の味が生まれます


Chapter 01
ジャム屋がよみがえらせた宝の島
瀬戸内ジャムズガーデン(山口県周防大島町)

高齢化率日本一の島に現れた人気店
食べたことのないジャムの味
こだわりのジャムづくりが地域を変える
新婚旅行でのひらめきから始まった挑戦
予想外の帰郷と起業
ジャムの味と仏教の教えを音楽にのせて
思惑が外れたお父さんの応援
起業家を生みだす島にしたい

Chapter 02
里山の牧場に行列ができる絶品ジェラート
池田牧場(滋賀県東近江市)

酪農を観光へ変えた牧場
こだわりの味を生みだす地域連携
余った牛乳を捨てる苦しみ
あきらめを夢に変えた出会い
ジェラートづくりへの扉を開く
念願の工房オープン

Chapter 03
手塩にかけて育て伝える完熟野菜
村上農場(北海道上士幌町)

27種類の美味しさを楽しめるジャガイモ
売り文句にもストーリーを
農家が直販できる背景
安心安全のジャガイモづくり
少量多品種販売の醍醐味
家庭料理が現在の営業に活きている
素朴な疑問から生まれた雪下熟成
イチ押しレシピで営業先を開拓する


2 使われ方を知ることから、商品開発は始まります


Chapter 04
均一化された市場に個性豊かな野菜で挑む
コスモファーム(香川県高松市)

産地直送の200種類の野菜
今の料理に求められる多彩な野菜
80アールの畑で全国からの注文に応える
野菜の特性と料理を知ることが大切
加工品で息を吹き返したオリーブ
見たこともない野菜に出会えるマルシェ
美味しいトマトをつくれば必ず高値で売れる
画一化された市場流通への疑問
マルシェが新しい農業のチャンネルに
シェフとの対話から始まる野菜づくり

Chapter 05
農家の本気を引き出す六次産業の伝道師
山際食彩工房(福島県会津若松市)

全国から依頼が舞い込む食品加工会社
六次産業必勝のツール
現地の人が知恵を出す手助けに徹する
商品づくりが地元の生きがいになる
地産地消のホテルへの挑戦
農家が詰めかけた料理講習
被災地を支援する野菜の加工販売
被災地で新事業を軌道にのせる


3 つくり手も買い手も喜ぶ、売り場をつくります


Chapter 06
香川のライフスタイルこそがブランド
まちのシューレ963(香川県高松市)

まちに必要な機能を備えた丸亀町商店街
香川のライフスタイルを学べる店
こだわりぬいた商品セレクション
店舗づくりの三つのコンセプト
丁寧な暮らしを発見するイベント
ものづくりの若い担い手を育てたい
スピードに流される仕事への違和感
バブル後の危機を経て生まれ変わった商店街
地方にこそ本物がある
成功するまちづくりの条件

Chapter 07
つくり手、売り手、買い手をつなぐ商品づくり
良品工房(東京都)

全国の個性的な逸品を集めた「ニッコリーナ」
全国デビューへのステージ
美味しそうに売る仕掛け
生産者がランチを提供する「オカッテ」
つくり手の熱い思いが決め手
主婦の本音を聞く「いいものプロジェクト」
積極的に参加してもらうモニタリング
販売の第一歩は信頼されること

Chapter 08
鮮度が命、漁師と農家がとれたての産品を直売
道の駅むなかた(福岡県宗像市)

全国平均の5倍を稼ぐ道の駅
人気の秘密は漁師の直売
スーパーで培った異例の運営手法
生産者との密なコミュニケーション
お客さんに商品の魅力を伝える工夫


4 ありのままのもてなしが、訪れたくなる秘訣です


Chapter 09
本物の豊かさを発信する農家民泊
知憩軒(山形県鶴岡市)

素朴な保存食が人気の農家民泊
自ら育てた食材でつくる絶品料理
庄内の恐るべき発信力
足元にあるものを使いこなす技と知恵
食の信頼を取り戻すための料理
絹のまちを復活させたい
眠っている地域の豊かさを形にする

Chapter 10
まちを耕すシェフを育てるレストラン
素材香房 ajikura(島根県邑南町)

A級グルメのまちづくり
地域の食の拠点をつくりたい
耕すシェフの育て方
女性の移住を促したハーブ
定住を全力で支援する
若い世代から料理を身近に
ajikuraを支える生産者のネットワーク