目次

はじめに

序 まちなか居住とまちなか戸建

1 まちなか居住のイメージ
  ・まちなかに住まう   ・まちなか居住の特徴   ・ 良質ストック形成への道
2 まちなか戸建の検討課題
3 本書の構成

T 持家化社会と戸建住宅
1章 戦後持家化社会の諸相

1 持家指向の高まり
2 持家化社会のビッグバン
3 戸建か集合か
4 地価上昇と持家指向
5 ミニ開発とミニ戸建
6 2大都市圏の戸建持家の実態
  ・戸建持家の階数   ・敷地規模   ・延床面積と容積率
7 小規模戸建の地域性
  公庫100u基準の問題点

2章 持家・借家の選択と戸建住宅

1 利用の時代はくるのか
2 住宅の延床面積と所有形態
3 定期借地権付住宅
4 戸建持家の賃貸化
5 区分所有マンションの賃貸化
6 共同建住宅の所有問題
  ・共同住宅の所有形態の変遷   ・区分所有マンションの建替問題
7 低中層戸建持家による市街地形成

3章 小規模敷地上の戸建住宅の発展史──社会的批判をあびてきた小規模戸建

1 零細建売住宅
  ・戦後の出発点   ・一時払いと月賦住宅   ・郊外スプロール
  ・長屋建から戸建へ   ・敷地規模と定住性   ・開発規模の規制

2 ミニ開発
  ・郊外型ミニ開発   ・ 既成市街地型ミニ開発   ・ スラム化の危惧
3 ミニ戸建
  ・2階建から3階建へ   ・ 都市型住宅地像の再検討

4章 ミニ開発の資産価値──ミニ開発の資産価値は低下するのか

1 ミニ開発の価格
2 1980年代初期の実態
  ・N団地   ・ S団地
3 2008年の実態
  ・N団地の現状   ・ S団地の現状   ・ ミニ開発ゆえの衰退は生じない

U まちなか戸建の性能
5章 まちなか戸建の性能の検証──木造戸建の実大実験

1 実大実験棟の設計
  ・実験住宅の平面と立面   ・ 構造性能の担保   ・ 防火規制への対応
  ・ 駐車場空間の考え方   ・ 上空面からの採光の工夫   ・ 屋上利用
  ・前面のデザイン   ・ 垂直移動におけるバリアの改善
  ・ リフォームに対する柔軟性   ・ 連続する空間

2 リフォーム性能の向上
  ・増床・増設工事の内容   ・ リビング上部2>階床等の増床   ・ リビング北側窓の増設
3 垂直方向のバリア改善
  ・加齢対応型の改善   ・ ホームエレベータによる改善   ・ ホームエレベータの乗降実験
4 屋上緑化
  ・屋上利用の促進   ・ セダムによる屋上緑化   ・ 屋上面の温度環境
5 実験による性能評価のまとめ

6章 まちなか戸建の持続性とリサイクル──解体・リサイクル性能を高める

1 解体性能をめぐる研究課題
  ・基礎   ・ 釘接合   ・ 集成材   ・ 外壁材料   ・ 石膏ボード
2 解体性能の判定
  ・判定方法   ・ 石膏ボードの解体   ・ 外壁材料の解体
  ・ 耐力壁パネルと床パネルの解体   ・ 柱・梁の解体

3 まちなか戸建リサイクルの考え方

V まちなか戸建を支える地域ビルダー
7章 注文住宅市場における地域ビルダー0──多種中量生産システム

1 注文住宅需要の特徴
2 注文住宅生産の特徴
3 注文住宅の大量供給の条件
  ・個別需要の集約化  ・木材加工面での生産技術の変化  ・現場組立技術の変化
4 注文住宅生産システムの実態
  ・資金規模・受注方法・設計主体等  ・新技術や新材料の導入
  ・近年におけるビルダーの成長

5 注文住宅市場で地域ビルダーが成立する条件

8章 地域ビルダーとしての建売住宅産業──実態が見えにくい建売住宅産業

1 建売住宅市場
  ・建売住宅産業の市場規模  ・建売住宅の業務内容
2 建売住宅業者の成立と展開
  ・建売住宅業者の誕生  ・戦後における建売住宅業者の復活
  ・1980年代以降の建売住宅   ・建売住宅業者と住宅地形成
  ・建売住宅としての生産性向上の頭打ち   ・建売住宅産業の展開方向
  ・建売住宅と住宅・土地政策

3 統計的にみた建売住宅産業の変化
  ・着工戸数の変化  ・分譲住宅比率の変化  ・戸建・長屋建比率の変化
  ・分譲住宅に占める戸建・長屋建比率の変化

4 第1次分譲住宅活性期
  ・供給面よりみた建売住宅の成立条件  ・第1次分譲住宅活性期の総括

9章 近年の建売住宅業者の実態──第2次分譲住宅活性期

1 東大阪市における2階建への回帰
  ・3階建から2階建へ  ・敷地面積の変化  ・延床面積の変化  ・容積率の変化
2 供給タイプ別の特徴
  ・供給タイプ区分の方法  ・供給タイプ別シェアの変化
  ・供給タイプ別にみた2階建率   ・ 供給タイプ別にみた住宅の水準
  ・地域別にみた3階建率  ・供給タイプ別にみた地域ごとのシェア

3 東大阪市における2階建急増の要因
  ・第2次ベビーブーマーの持家需要  ・地価の下落  ・建売業者間の競争
  ・ 中間検査の影響  ・東大阪市における中層戸建の将来

4 建売住宅業者の実態
  ・2000年調査  ・2000年インタビュー  ・2005年調査
5 第2次分譲住宅活性期の業者像
  ・適正圏域での活動  ・開発事業の継続性  ・地域市場におけるポジショニング
  ・企業の顔となるプロジェクトの実施  ・今後の展開

W まちなか戸建とまちなみ形成
10章 まちなみ形成にむけての新動向

1 新しい建売住宅
  ・住宅単体としての特徴  ・私的・公的空間の中間領域化
  ・まちなみ・居住環境形成型   ・コミュニティづくり
  ・売建と設計者とのコラボレーション  ・自治体・電力会社との協力

2 新しい建売住宅の需要者像
  ・まちなか居住指向層  ・商品コンセプト重視層  ・まちなみ重視層  ・近隣関係重視層
  ・衝動買い需要層  ・若年世帯

11章 居住者の住み方とまちなみ意識──オープン外構を考える

1 前面空地の利用実態
  ・違法・地域許容建築群  ・カーポートの取り方
  ・入居時に設置されていたもの   ・入居後に設置したものと評価

2 外部経済の誘発と外部不経済の抑制
3 住宅地としてのルールづくり
4 まちなみ形成意識の発展

12章 建築・住宅行政はどうあるべきか──行政における発想の転換

1 住宅マスタープランと都市型住宅
2 住宅地開発と開発指導行政
  ・八尾市  ・東大阪市  ・最低敷地規模規制
3 建築基準法とまちなか戸建
  ・容積率  ・高さ規制  ・建蔽率  ・接道義務
4 まちなみ形成に向けての誘導
  ・まちなか住宅・関西プロジェクト  ・自治体による誘導

終章 都市型住宅地像の転換か

  ・戸建持家を主要構成要素とした都市型住宅地  ・住田昌二『21世紀のハウジング』
  ・青木仁『日本型まちづくりへの転換』  ・低中層高密の都市型住宅地像

参考文献
索引
おわりに