環境と空間文化

目次

Prologue 環境はどのように文化を生成するか 中村良夫

衛生と貧困
エコロジー思想とその技術化
地球環境というパラダイム
環境と文化──デザインのモチベーションとして
〈ディスカッション〉

Chapter 1 環境幻想──まもりたい環境はどこにあるのか 小野芳朗

システムとしての「衛生」の登場
改造される水環境──明治期の水道整備とその背景
物語となった都市の記憶
謡曲に眺める風景
〈ディスカッション〉

Chapter 2 山川草木を織り込んだ都市――環境との関係構築の形 堀 繁

環境ストレス緩和装置としての都市
日本における都市と環境との関係
精神的環境ストレスの緩和と都市の形
日本の都市の特徴
日本における樹木
水への信頼
都市環境問題の二つの視点
〈ディスカッション〉

Chapter 3 時間を超える建築――自然という矛盾と向きあう 内藤 廣

〈環境〉なんかくそくらえ!!!
建築と〈環境〉──変容する関係性として捉える
コルビュジエとミース──近代建築の目指したもの
スペースシップ・モダニズム
ピュハ・ティラ──聖なるもの
つくりながら考えてきたこと
時間──近代が排除したもの
〈ディスカッション〉

Chapter 4 形態を超えて――システムとしての都市デザイン 齋藤 潮

都市景観をめぐる議論
街並みの生成原理
形態にとらわれすぎないこと
景観法運用の行方

Chapter 5 私たちの拠って立つ場所――環境と都市をどのように育てるのか 土肥真人

私たちの拠って立つ場所
都市と人の関係性の弱さ──準拠点としての東京
デザインの核心──コミュニケーション
環境と都市に手を入れることの歓びと美
〈ディスカッション〉

Epilogue 人間像の改定を求める環境文化 中村良夫

人間中心主義の終わり
環境時代に環境を語らず──生存と実存
大地と人間をつなぐもの──断絶と回復
言葉とコミュニケーション──コミュニティへ
社会契約から自然契約へ