景観法と景観まちづくり


書 評
月刊『ガバナンス』(鰍ャょうせい)2005.6
  昨年の通常国会での景観法成立を受け、自治体間に景観条例制定への機運が高まった。都市・農村の景観、町並み保全など、歴史的・文化的な地域の営みを次代に伝えようとする動きは確実に増えている。
  本書は、昨年開催された日本建築学会大会時に作成された、景観をテーマとする研究協議会資料をもとに制作されたものだ。自治体施策に関係の深い47本の論考が収められている。
  景観基本法制などをめぐる一般的な議論を第一部に、第二部には自治体の事例が配されている。文字組みのきつさがやや気になるが、読者は関心領域に合わせて読み進めばいい。10年後、どんな事例が増えているかも楽しみな景観集成である。