構造力学を学習していく上で、自分の手を動かして解く作業は欠かせません。
講義を聞いて「わかった」と思っても、実際に解いてみると「あれ? どうだったっけ?」となってしまうからです。
自分の力で何度も解く練習をして初めて構造力学は自分のものになるのです。そのため、構造力学の講義には、問題を解く教材が不可欠なのです。
そこでこのたび、本書「やさしい 建築構造力学 演習問題集」を作成いたしました。
本書が構造力学学習の良きパートナーになれば幸いです。
本問題集の特長
- 高等数学不要
第1章・基礎計算で紹介している程度の数学で取り組めます。
- シンプルな問題
解法の本質を理解していただくためには複雑な問題は要りません。シンプルで、気持ちよく解けるように工夫しています。「解ける喜び」を感じていただき、理解へと結びつけてください。
- イラストでの解説
解法の解説ページを設けました。解説にはイラストを使い、力を実感できるように工夫しています。
- 実用的な解法
「スパナ化法」「面積法」なども取り上げ、問題を見ただけで応力図が目に浮かぶようになることをめざしてください。
- チャレンジ問題
建築士資格試験の問題を意識した〈チャレンジ問題〉を用意しました。各パートを理解できたら、トライしてみましょう。
問題を解くにあたっての注意点
- 計算式は丁寧にたてましょう。横着すると上達しませんよ。
- 必要に応じて図を描きましょう。今自分が解こうとする対象物をはっきりさせることが大切です。
- 力の釣り合い式にはΣX=0などの目印となる記号を書いておきましょう。復習するときに自分のたてた式が何なのか一目でわかります。
- 暗算しない! 面倒臭さがらず丁寧に式を展開し、符号間違いなどのうっかりミスをなくしましょう。
- 答えには必ず単位を書きましょう。物理量には単位が必要です。
本書を通して構造力学に親しんでいただき、みなさんそれぞれの目標を達成していただければ、著者にとってこのうえない喜びです。
平成30年6月30日
浅野 清昭
|