伝統の続きをデザインする
SOU・SOUの仕事

おわりに


 SOU・SOUを始めてから、自分の中で「成功観」が大きく変わりました。

 昔は高級スポーツカーに乗って、高級腕時計をつけて……みたいなことに憧れていました。また、会社はどんどん大きくなっていくことに意義があると思っていました。
 しかし、今はまったくそんなものには憧れず、会社はむやみに大きくするのではなく、質の向上を大切にしようと思うようになりました。
 特別なことよりも、普通の日常こそが大切で、日々仕事の手を抜いてはいけないと思うようになりました。これは日本のものづくりに携わるようになってからだと思います。 

 日本のものを作ると、喜んでくださる人がとてもたくさんおられます。励ましのお手紙をいただくこともあります。日本らしさが年々失われつつある現状を、皆どこかで憂いてるのでしょうか。
 よく言われていることですが、国内の生産現場はとても厳しい状況です。しかし才能ある若手が参入すれば、この先、また盛り返せると信じています。日本は大昔からものづくりの国、職人の国です。発展はしても、衰退している場合ではないのです。
 SOU・SOUがきっかけで、ほんの少しでも日本のものづくりに若い人が興味を持ってくださったらこれほど嬉しいことはありません。
 SOU・SOUは、これからもいろんなことにチャレンジしながら、職人さんたちと一緒に成長できたらいいなと思っています。

 今回このような出版の機会をくださった学芸出版社の中木様、本書の構成をご担当くださった石田様には感謝いたします。
 社内では、日常業務に追われながらもブックデザイン、原稿の加筆、修正を手伝ってくれた企画室長の橋本にも感謝したい。
 読者の方には、最後までお付き合いいただきまして本当にありがとうございます。
 これからもSOU・SOUを何とぞよろしくお願いいたします。

SOU・SOU代表 若林剛之