テキスト建築の20世紀


もくじ


第1部 プレ・モダニズム

第1章 近代化への布石 近代建築の萌芽

1 技術者の貢献:近代建築の礎を築いた工学
2 労働者の環境改善:理想社会モデルの提案
3 様式の選択と折衷:国民的様式としてのゴシック
4 理想的建築:ゴシックの合理的解釈

第2章 近代建築の曙光 伝統性と近代性の相克

1 アーツ・アンド・クラフツ運動:中世を理想としたものづくり
2 グラスゴー・スタイル:新たな時代の様式を求めて
3 郊外住宅地:田園生活の理想
4 『明日の田園都市』:近代都市計画の聖典

第3章 近代への多様な道のり 世紀末ヨーロッパの建築

1 アール・ヌーヴォー:モダンデザインの胎動
2 モデルニスモ:カタルーニャの近代化
3 ユーゲントシュティール:モダンデザインへの傾斜
4 オットー・ワーグナー:表層の自立
5 アドルフ・ロースのモダニティ:装飾と犯罪
6 新素材による建築と都市像:鉄筋コンクリートという近代性

第2部 モダニズム

第4章 切断される「過去」 建築のアヴァンギャルド

1 キュビスムと建築
2 イタリア未来派
3 ロシア構成主義
4 デ・ステイル

第5章 大量生産社会の建築へ 近代建築の実験場としてのドイツ

1 ドイツ工作連盟:芸術と産業との結合
2 表現主義建築:解き放たれた造形意欲
3 バウハウス:モダンデザインのゆりかご
4 大規模ジードルンク建設の時代:「すべてのひとに住宅を!」

第6章 摩天楼と郊外住宅 アメリカにおける近代建築の形成

1 メトロポリスの摩天楼
2 メトロポリスの表象:アメリカにおける古典主義
3 アンチ・メトロポリスの住宅T:ライトのプレーリー・ハウス
4 アンチ・メトロポリスの住宅U:ライトのユーソニアン・ハウス
5 アンチ・メトロポリスの住宅V:フロンティアの前衛

第7章 ル・コルビュジエ 遍在する身体

1 時代の交差点としてのル・コルビュジエ
2 「白」の意味:1920年代の住宅
3 素材・身体・空間:サヴォワ邸以降
4 世界と身体との重合:二つの宗教建築
5 等身大のル・コルビュジエ

第8章 ミース・ファン・デル・ローエ ユートピアなきモダニズム

1 アヴァンギャルドへの道:1921-1925
2 巨匠への道:1926‐1937
3 新たなスタイルの確立へ向けて:1938‐1942
4 頂点と終焉:1944‐1968
5 ミースの影響とその功罪

第9章 教義としての近代建築 近代建築の成立と成熟

1 合理と機能:建築における規格化
2 機能的都市の確立:分節化する機能
3 「スタイル」としての近代建築
4 様式から空間へ

第10章 合理性と固有性 近代建築のひろがりと変容

1 経済と建築:新天地アメリカでの展開
2 規格化と構造の表現
3 近代建築の一つの帰結:SOMの建築
4 風土のなかの建築
5 イデオロギーと建築

第3部 ポスト・モダニズム

第11章 経験の多様性へ向けて 近代建築への懐疑と超克

1 CIAMの終焉とチーム10の誕生
2 都市の再発見:多様な経験の舞台として
3 場所の力:世界と出会う経験
4 多様性の先にあるもの

第12章 建築のポスト・モダン 領域の拡張

1 モダニズムの相対化:建築の多元的解釈
2 ポスト・モダン建築の多義性:言語化していく建築
3 都市のコンテクストと建築
4 テクノロジーへの視点:表層化していく建築
5 ポスト・モダニズムへの懐疑
6 建築のディス・プログラミング

第13章 テーマ化するモダニティ 21世紀へ

1 レム・コールハース:モダニティの受容とモダニズム解体
2 ヘルツォーク・アンド・ド・ムロン:アート化する建築
3 フランク・O・ゲーリー:アートとコンピューターとスペクタクル/ハリウッド化する建築
4 妹島和世,西沢立衛(SANAA):新たなモダニティの空間へ