図説 日本建築のみかた/はじめに


はじめに

 近年、京都や奈良の数多くの寺社、あるいは日光東照宮や厳島神社などが続々とユネスコの世界文化遺産に登録される等、日本建築への興味が急速に高まりつつあります。しかし、そのやや抽象的な難解さゆえに、現在それらを解読・鑑賞する術が必ずしも一般の方々に十分普及しているとはいえません。

 そこで、本書は日本建築の見方、見どころを数多くの実例をあげて、平易な文章と多数の図版を用いてわかりやすくまとめたものです。読みものとしてもおもしろく、またガイドブックとしても使い易いものを意図しました。

 本書を手にして傑作建築の数々を訪れ、春ならば匂いたつ花々、夏ならば青々とした新緑、秋には燃え上がるような紅葉、冬ならば純白の雪とともに愛で、また神や仏と語らい、地域の人々と人情あふれる触れ合いを通して、疲れた心を癒してみてはいかがでしょうか。

 本書が皆様の魅力発見の助けとなり、日本建築がより一層愛されるようになれば、著者として無上の喜びです。


宮元健次/学芸出版社

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