Gロゴ

改正建築基準法──テーマ別総合解説




はじめに



 昭和25年に制定された建築基準法が、50年振りに抜本的に大改正されました。その主な点は、建築行政の民間開放と、仕様規定の「性能規定化」です。
 第1の建築行政の民間開放では、これまで役所がすべてを行うこととして来た建築行政の一部を、一定の民間組織(各種の指定・承認機関)に行わせることとしました。その結果、これまで技術規定が中心だった建築基準法も、組織・運営・手続きの規定が大幅に増加しました。
 第2の性能規定化では、これまで材料名やその寸法という具体的で判りやすい仕様を中心としていた技術規定が、これまた大幅に改正されて、法令が要求するのは、建築物に対する防火・構造強度という「性能」が中心として規定されるに至りました。その結果、これまで法令中に規定されていた具体的な仕様は姿を消し、法令の内容が抽象的なものとなってしまいました。(具体的な適合仕様は、告示で建設大臣が定めます。)
 このような大改正の結果、技術の進歩に対応しやすくなったとは言え、実務的には告示まで読まなければならず、また、法令の体系を総合的に把握するのが、以前よりも難しくなってしまいました。
 そこで、本書は平成12年6月1日施行の最終改正までの内容に準拠し、最新内容の建築基準法関連法令を、事項別に再編して、一つのテーマごとに総合的な解説をするという執筆方針により、画期的な解説書を目指しています。一見、用語事典的な印象もあろうかと思いますが、単なる用語の意味に終わらず、それに関連する内容を総合的に網羅してありますから、使いやすい実務書として活用できるものと自負しております。
 新しい建築基準法の大系を見ると、どうも、これまでのような勉強方法では、建築基準法のすべてを理解するのは困難なような気がします。そこで要領よく、それらを理解するには、「良い参考書・解りやすい解説書」を選ぶことが大切だと考えます。
 本書は、正にそのような目的のもと、テーマごとに分類し、そのテーマに関する規定を総合的に解説していますから、大改正された建築基準法をあらためて勉強しようとする人、または新しく勉強する人にとってピッタリの解説書と言えるのではないでしょうか。
 本書が関係方面で活用されることを期待しています。
2000年夏  高木任之  


もくじ
はじめに
著者略歴



メインページへ

学芸出版社/gakugei

| 図書目録ページへ | 学芸出版社ホームへ |