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福祉・住環境用語集


 



監修のことば



 高齢者や障害をもつ人たちを始め、すべての人たちが、まちや住まいを利用しやすくする「福祉の住環境づくり」が、徐々にではあるが進行している。従来の住環境づくりが、高齢者や障害をもつ人たちを排除して、われ勝ちにスピードを競う高速道路を張り巡らせたり、高さばかりを競う超高層ビルを林立させていたことから見ると大きな変化である。
 この変化が見られ始めたとき、阪神・淡路大震災に見舞われた。高速道路が倒壊したことには驚いたが、尊い犠牲者の6割は高齢者や障害をもつ人たちで占められていた。これらの人たちの多くが、老朽住宅に住まざるを得なかったことにもよるが、「福祉の住環境づくり」がそれぞれの住宅や個人の日常生活にまで及んでいなかったことが最大の原因ではなかろうか。
 福祉の住環境づくりがすべての地域に普及することを願って、著者の中井多喜雄氏は熱意を込めて研究し、本用語集を編纂された。専門用語を解説することは容易ではないが、これを具体的にやさしく解説されている。本年からは「福祉住環境コーディネーター」の制度も発足するとのことであり、多くの人たちに座右の書として利用されるようお勧めする。この出版に多少なりともお役に立てたことを喜んでいる。

  1999年10月
荒木 兵一郎






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