建築の配置計画
環境へのレスポンス


書 評



『室内』(轄H作社) 2002.6
 建築設計の際に、その建物がどんな土地に建つのか、それを無視して設計する人はいないだろう。高台なのか盆地なのか、周りは海か山か都市なのか。それらを効果的に建物に取込めるかどうかは、建物をどう配置するかが鍵になる。本書は、タイトルの通り、建築の配置計画のポイントをまとめている。西洋と日本の建築の違いを踏まえた上で、考えるべきことを項目だてて説明しているのでわかりやすい。全編モノクロだが、豊富な写真と図面(もちろん配置図、そして断面図など)が載っているのと、住宅も公共施設も高層ビルも並列で扱っているのがいい。
 規格化された建築は、環境と相容れないことが、よく分かる。