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緑のプレゼンテーション

建築・インテリア・景観


  はじめに

 有史以来、ひと、たてもの、そして緑(グリーン)、この3者の関係はとてもつながりが深く、切っても切れない関係にあります。街並みに並木、住宅に庭や外構の樹。インテリアには観葉植物。あって当たり前の世界に住んでいるからこそ、その必要性をさほど感じないのかもしれません。
 近年、グリーンに関してのプレゼンテーションが、急激に多くなってきました。従来のように、その道の専門家である造園屋さんに任せきりではなく、素人である施主の関心が高まってきているのです。「実際にその空間で生活する立場で意見を述べたい」といったところから、そのような傾向が出てきているのでしょう。
 建築のデザインに関しては、色々な角度から検討され、その時代に適合した形なり、機能が追求され、その類の参考書籍、資料はそこここに見られます。しかし、グリーンのスケッチに関する書籍を探してみたところ、なかなか適切な文献が見あたりません。専門的な学術書か、または単なる趣味のお花の書籍が多いように思います。
 実際、建築・インテリアのように人工的なものは、図法によって形をとらえることができますが、グリーンのようにとらえどころのないものは、一定の図法では描くことができません。だからといって、今から公園に出かけて樹木のデッサンの練習を積み重ねる時間がどれほど取れるでしょう。そこで、筆者が欲しかったグリーンスケッチに関する初心者向けの書籍の作成に、『緑のプレゼンテーション』のタイトルで挑戦してみました。今回は、あくまでもプレゼンテーションのためのスケッチに絞り込み、描き方とその見本を描くことにとどめました。まずは描くことに慣れていただければ、目的の一歩は達成したものと思います。

  2000年7月

宮後 浩


学芸出版社
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