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建物のリサイクル


躯体再利用・新旧併置によるリファイン建築



あとがき



 この本が提唱している「リファイン建築」が、単に経済的理由や産業廃棄物の処理という問題解決に有効な手段として行われるならば、それは本意ではない。それは一過性のものでしかなく、何年か経ったのち、そのリファインされた建築は再び同じ問題に直面し、解体され産業廃棄物となってしまうだろう。そうならないためにも、先人のつくった都市や建築に対して敬意をもつとともに、現在、われわれがつくる建築が多くの人びとから敬意をもたれるよう絶えず精進しながらものづくりに励む必要があることを痛感する次第である。
 そして、この本の発刊と同時にリファイン建築研究会を発足させて、より技術の向上に努めている。さらにこの研究成果がリファイン建築だけではなく、新築の建物においても数十年後にはリファインされることを前提とした建築の考え方に生かされるべきであると考えている。それはこれからの都市問題に、とりわけ地方分権によってますます知恵と決断力が求められる地方自治体にとって、有効な手法として活用されるだろうと思う。
 リファイン建築に関心をもたれた方は連絡をいただきたいと思う。多くの新たな経験がリファイン建築を質のうえでも量のうえでも富ますこととなるならば、それは重層した豊かな表情を町並みに与え、町が奥行きあるものに変わっていくことだろう。それを祈る気持ちでいっぱいである。
 この本の発刊にあたっては、多くの方々にお世話になった。私にこの本を書くことを勧め、編集すべてにわたりご指導をいただいた石堂威さん、適切な助言や細やかなアドバイスをいただいた小田道子さん、お忙しいなかをわざわざ九州まで来て2日間にわたってリファイン建築を見ていただき、今後の方向性を示唆してくださった鈴木博之先生、九州における良き相談相手の竹下輝和先生、そして、まったく文章の苦手な私の手となり足となり、文章の指南役を引き受けてくれた三浦丈治さんに深く感謝したい。
 クライアントや工事関係者の皆さん、私の事務所のスタッフにもお礼を申し上げたい。
 また、この本の内容にご理解をいただき、発売を引き受けていただいた学芸出版社の京極迪宏社長、編集担当取締役の前田裕資氏にもお礼を申し上げたい。
  1999年6月
青木 茂  

連絡先c福岡県福岡市中央区長浜一・二・六・二○六
    リファイン建築研究所(〒八一○・○○七二)
    電話:○九二(七四一)八八四○
    ファクス:○九二(七四一)九三五二
    E-mail:aokou_f@d3.dion.ne.jp
    
    東京都千代田区飯田橋一・六・一・三○二
    都市建築編集研究所(〒一○二\○○七二)
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    ファクス:○三(三二二一)五五六八
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発刊によせて
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はじめに
著者略歴
書  評



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