図形ドリル
平面・立体表現の基礎を学ぶ

この教材はデザイン教育における基礎学習のための教科書であり問題集です。あらゆるデザイン分野で様々な基礎教育が実施されていますが、表現力を高めつつ、デザインの勘所を養うのは一朝一夕にできることではなく、しっかりとした積み上げのもと獲得できる能力であるといえます。また、昨今のデザインでは、特定のデザインの領域に閉じて学ぶわけにはいかず、例えば、インテリアデザインを探求するには、建築的な知識のほか、グラフィックデザインの感覚やアートのような表現まで、領域を超えて学ぶことが求められます。そのため、初めてデザインを学ぶ皆さんにとっては、どこから手をつければいいのか、戸惑うこともあるかもしれません。

そこで、この教材では、デザインを学ぶ上で習得してもらいたい技術、知識、感覚をひとつのベクトル上に整理して、ドリルという形で構成しました。小学生の漢字ドリルのように、薄く印刷されたお手本をなぞることからはじめ、すべての問題で、手を動かしながら、デザインの基礎について理解を深めていけるよう意図された教材で、学校でのデザイン教育の初期段階の演習教材として活用されることを期待しています。
教材は全4章で構成されています。
前半は二次元のデザイントレーニングであり、第1章はすべてのデザインのスタートラインとなる一本の線の描き方、表現法を確認することからはじめ、第2章で様々なテーマのもと、面による構成に取り組み、二次元の世界での表現力を養います。後半は三次元のレッスンで、第3章では、高さを与えられた三次元のモノや空間の見方、捉え方を習得した後、実在を使って制作するレッスンに取り組みます。 最後に第4章で二次元と三次元をつなぐ遠近感や奥行きの感覚を、実体験も交えて身に付けます。
その他、学習の途中にコーヒーブレイクという頭をリフレッシュするための5問を挟んでいます。ここでは、少しアートの世界にも触れ、クリエーションの可能性を体感します。
全部で40のテーマがあり、表にテーマの解説、裏に演習問題となっています。初めてデザインを学ぶ人は、解説を読んで、問題に取り組みましょう。少し腕に自身のある人は、解説を飛ばして問題に挑戦してもいいでしょう。

デザインは最終的に誰かの幸せにつながる行為ではないでしょうか。そんなデザインを志す皆さんですから、楽しみながら笑顔で取り組んでいただきたいと思います。