歴史・文化のまちづくりニュース NO.19

発行・歴史・文化のまちづくり研究会
発行日 2000年4月25日
文京区本郷4-1-7-3F(エコプラン内)
03-3814-2930(電話)
03-3814-3594(ファクス)

■第7回 歴史・文化のまちづくりセミナー

「世界遺産 日光」 開催のお知らせ
 前回のニュースでお知らせしたように、第7回歴史・文化のまちづくりセミナーは6月16日(金)、「世界遺産 日光」をテーマに行われます。日光の社寺に深く関わってこられた千葉大学名誉教授の大河直躬先生の講演、日光の世界遺産登録にも関わってこられた文化庁の稲葉信子さん、地元日光市からもお話をしていただくことになっています。
 また、いつもですとセミナー終了後、懇親会を行なっていましたが、今回はその代わりにセミナーの後、17日(土)・18日(日)に日光で大河先生の解説による見学会を行ないます。
 大河先生の解説による見学会は、なかなか体験できない貴重な機会です。しかもセミナーを聞いた後、さらに見学会に参加し、セミナーで話に出てきたものを実際に目にすることでより一層日光の社寺について理解が深まります。
 見学会については、17日と18日の2日に分けて行なう予定ですので、17日の日帰りでもけっこうです。宿泊先の手配についてもいたしますので、夜には大河先生を囲んでの懇親会も考えています。この機会をぜひ逃さず、建築関係の方も一般の方も、多くの方に参加していただけるのをお待ちしております。

●第7回 歴史・文化のまちづくりセミナー「世界遺産 日光」



●「世界遺産 日光」見学会



■平成12年度新会員の募集および年会費の受付

 当会では今年度新たに会員に入会される方、また今年度の会費を受付けています。
●当会の行なっていること
@セミナーの開催
 年2回「歴史・文化のまちづくりセミナー」を開催。6月の第7回に引き続き、秋に行なう予定の第8回についても検討を進めています。
A交流促進
 懇親会の開催により会員同士、あるいは会員以外の方との交流を深めています。
B見学会の開催
 昨年はニュースでも何度かお伝えしている碑文谷の日本勧業銀行別棟や本郷の街歩きなどを行ないましたが、今年も随時開催していく予定です。
C出版活動
 セミナーの記録集もすでに4冊発行し、第5回セミナー「歴史ある建物の活用に向けて」は近々第3刷が出る予定です。また、歴史・文化に関する書籍について当会の編集により出版されています。

●年会費

●会員特典 @出版物の割引
 セミナーの記録集であるブックレットや他の出版予定書籍について一般よりも割引して販売しています。
Aニュースの配布
 季刊紙「歴史・文化のまちづくりニュース」を年4回と号外的に随時発行し、会員へ提供しています。
Bセミナーの割引
 年2回の「歴史・文化のまちづくりセミナー」参加費を一般よりも割引しています。
C利用料の特別割引
 会員は鳳明館およびル・リス・ダン・ラ・バレを1割引でご利用できます。利用の際には会員であることをお申し出ください。それぞれ連絡先等はネットワークインフォメーションをご覧ください。
D賛助会員の特典
 賛助会員は当会に当会に資金的に協力していただいている会員です。賛助会員の方はセミナーの参加費を3人まで無料としています。また、セミナーの記録集ブックレットも3冊献本させていただきます。


●広告募集のお知らせ
 年2回発行のブックレットの維持のため広告を募集します。年2回発行のブックレットの1ページ分、年間3万円です。広告にご協力いただいた方はブックレットを5冊献本いたします。ご協力お願いいたします。

第3回 藤島亥治郎先生白寿記念『道と宿場町−中山道』
第4回 西村幸夫先生『歴史を活かしたまちづくり』
第5回 「歴史ある建物の活かし方」出版記念『歴史ある建物の活用に向けて』
第6回 佐藤先生日本建築学会大賞受賞記念『瀬戸内海のこれから』

■台東区根岸に書道博物館が開館

 書道博物館には洋画家中村不折(1866〜1943年)が収集した石仏や経典など、漢字に関する資料が収蔵、展示されています。中村不折は収集した資料を保管するために1933年に自宅敷地内に鉄筋コンクリート造二階建ての書道博物館を建設しました。
 5年前に遺族は、博物館と敷地を区に寄贈しました。区では、敷地内に新たに、鉄筋コンクリート三階建ての中村不折記念館を建設しました。
 区では、今回二つの建物をあわせて、4月7日に書道博物館として新たにオープンしました。
 収蔵品は約1万6千点あり、現在その中の400点が公開されています。
 中村不折の旧宅は既に解体されていますが、当時の蔵は敷地内に現存しています。
 1933年に建設された建物は近代建築の面影を残した建物で、小規模な建物でありながら街並みに重厚さを与えています。
書道博物館外観(右側は中村不折記念館)
書道博物館の庭


■−碑文谷をめぐる動き−

 これまでお伝えしてきた、目黒区碑文谷の第一勧業銀行碑文谷グラウンドにある旧日本勧業銀行本店の別棟とクラブハウスは、様々な団体から保存の要望書が出されてきました。
 しかし、クラブハウスについては3月7日に、そして別棟も3月22日に解体が始まり、両建物とも姿を消してしまいました。
 保存を求めてきた住民団体では、部材を確実に保存するため解体作業が始まる前に、独自に取り外し作業を行ないました。(3月19日付 読売新聞)
 今後は取り外した部材を使って、このような建物が存在していたということを伝えていくためにモニュメントの建設が課題になります。住民団体では検討を続けていくことにしています。

■★ <連載企画>みんなのたてもの・まちなみ その7 ★

 明治時代の本郷は下宿屋が多く、本館は47室ある下宿屋で、東京でも大きいほうであった。
 昭和9年、鳳明館の創立者はこの下宿屋を買い取り、終戦後模様替えを行い、26室の旅館とした。
 戦後の本郷は、東京に出てくる修学旅行客などが多く、旅館の町として発展した。鳳明館本館は、今なお当時の本郷の雰囲気を残している旅館である。
 創立者は、建築に造詣が深く銘木を買い集めていた。そして大工の棟梁に巡り合い、いいものを創ろうと棟梁と相談しながら模様替えを始めた。
 銘木に合わせて部屋をつくり、京都の職人を呼んで壁を塗り、部屋名は銘木に合わせて決めた。同じ部屋はなく、全て雰囲気が異なった旅館となった。
 経営者と職人の協同により本館は生まれ変わり、職人の魂の感じられる旅館となった。
 近年、歴史的建造物の価値が見直され、都心にある日本風の旅館として評判となり、宿泊以外にも見学を兼ねながら宴会に利用する客も増えてきた。
 鳳明館には本館以外に台町別館と森川別館があるが、それぞれ異なった雰囲気で創られており、来る度に違った雰囲気を味わうことができる。
 「鳳明館」は平成12年4月に登録文化財として答申されました
(なお、当会の会員は一割引でご利用できます。最初にお申し出下さい。)
写真は、「鳳明館本館」の客室
(報告:三船 康道)


■(仮)残したい東京の近代建築

 現在、当会の編集による「(仮)残したい東京の近代建築」が執筆中です。今年の秋頃の出版を予定しています。当会の会員は割引価格で購入できるよう検討中です。なお、昨年アンケートを送っていただいた方の中から抽選で贈呈する予定です。
●今年度の会費・寄付による収入状況
 ¥411,000(3月末現在)
●藤島亥治郎先生が101歳に!
 藤島先生は5月には101歳になられます。そこで当会ではお祝いに花束を贈ることにしています。
●最近の登録文化財4月21日の文化財審議会で登録文化財として答申のあった95件のうち、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県のもの8ヵ所は以下のとおりです。・鳳明館本館(東京都文京区)・東大先端科学技術センター13号館(東京都目黒区)・東大教養学部旧第一高等学校本館(東京都目黒区)・竹中家住宅主屋(東京都大田区)・東京農工大農学部本館(東京都府中市)・一橋大兼松講堂など(東京都国立市)・小田原文学館本館など(神奈川県小田原市)・松永記念館老欅荘など(神奈川県小田原市)

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