歴史・文化のまちづくりニュース NO.18

発行・歴史・文化のまちづくり研究会
発行日 2000年2月22日
文京区本郷4-1-7-3F(エコプラン内)
03-3814-2930(電話)
03-3814-3594(ファクス)

■第7回歴史・文化のまちづくりセミナーを開催します!

テーマ:世界遺産 日光
 日光の社寺が世界遺産に登録されたことは前回のニュースNo.17でも取り上げました。それに合わせて当研究会の第7回歴史・文化のまちづくりセミナーは日光をテーマにして千葉大学名誉教授の大河直躬先生に講演をお願いすることになりました。
 大河先生は日光東照宮についての著書やNHK出演もあり、これまで日光の社寺とは深く関わってこられました。そこで講演をしていただくとともに、日光東照宮など先生による解説での見学会を行なうことを予定しています。  また文化庁の稲葉信子さんより世界遺産になった時の話題や日光市からの報告も予定しています。
※第7回歴史・文化のまちづくりセミナーについての詳細および申込と来年度会員の募集は次回のニュースNo.19(4月中旬発行予定)で行ないます。

■第6回ブックレット好評発売中

 昨年の秋に行われた佐藤重夫先生の日本建築学会大賞受賞記念講演会である第6回歴史・文化のまちづくりセミナーのブックレットができあがりました。「瀬戸内海のこれから」と題したテーマで厳島神社、瀬戸内での景観保護について訴えると同時に、そうしたことが日本全国での問題でもあり、将来に向けての景観保護と開発について考えさせられる貴重なご講演となっています。また、原爆ドームの貴重なお話もあります。
 また、好評により品切れとなっていた第5回歴史・文化のまちづくりセミナー「歴史ある建物の活用に向けて」のブックレットについても第2刷ができあがりました。
 ブックレットはセミナー会場だけでなく、電話あるいはFAXでも随時、受け付けていますので購入を希望される方はお気軽にご連絡下さい。
(1冊 会員:500円,非会員:800円(第3回〜第5回),700円(第6回) ※送料:200円)

第3回 藤島亥治郎先生白寿記念『道と宿場町−中山道』
第4回 西村幸夫先生『歴史を活かしたまちづくり』
第5回 「歴史ある建物の活かし方」出版記念『歴史ある建物の活用に向けて』
第6回 佐藤先生日本建築学会大賞受賞記念『瀬戸内海のこれから』



■速報 −碑文谷をめぐる動き−

 目黒区碑文谷の第一勧業銀行碑文谷グラウンドにある旧日本勧業銀行本店の別棟とクラブハウスについてこれまでお伝えしてきましたが、いよいよ佳境に入ってきました。
 昨年末の目黒区議会による解体を前提とした土地購入の決議の後、地元住民によって「別棟とクラブハウスの活用を考える目黒区民の会」が結成されました。区民の会では都知事への要望書の提出、署名活動などを行なっています(1月13日付読売新聞記事参照)。
 さらに2月3日(木)には日本建築学会が会長名で保存活用に関する要望書を目黒区へ提出しました。
 そして2月4日(金)には目黒区文化財保護審議会が目黒区長、教育委員会へ抗議および要望を提出しました。その中では「両建造物の取り扱いおよび審議会軽視に対する抗議」と「解体の即時停止および保存に対する要望」を訴えています(次頁および2月19日付読売新聞記事参照)。
 こうした動きに対して、区では財政難などを理由に解体する予定で、2月21日には解体作業に着手することになっていました。しかし、21日の朝から区民の会のメンバーが現地に集合し、工事を請け負った建設業者に対して要望を伝え、翌22日からに延期しました(2月22日付読売新聞記事参照)。
 解体が始まるのもまもなくかも知れませんが、最後まで目を離すことができません。



★ <連載企画>みんなのたてもの・まちなみ その6 ★

■スペース小倉屋

 台東区谷中、都心の中で今なお落ち着いた雰囲気を残すこの町にギャラリー「すぺーす小倉屋」があります。江戸時代から「小倉屋」という屋号で質屋を営み、昭和45年頃まで質屋として使われていました。
 かつての店舗部分であった建物は、木造2階建てで江戸時代後期に建てられ、建物の店玄関や帳場として使われていました。蔵は大正5年に建てられた3階建てで、土蔵としては全国的にも非常に稀なものです。
 また、質屋の蔵は普通、客から預かった質草を守るためにも敷地の奥に建てられます。それが当時は現在の蔵の奥に店舗部分と同時期に建てられた蔵があったために、この蔵は店舗部分と並んで道路に面して建てられました。こうした珍しさもあって長い間、谷中のランドマークとして親しまれてきました。
 この建物も戦後しばらくは他人に貸されていました。しかし、主人の伊藤氏が古い建物の有様に惹かれ、バブル崩壊の中「在るものをいかに活用するか」に考えが至り、土蔵をギャラリーに再利用する決意を固められたそうです。
 現在では和風の建物をうまく活かした多種多様な催しが行なわれています。また、さまざまな人たちが集まってくるこの場を、海外のギャラリーを含めた交流の場としても広げていこうとしています。
(報告:滝澤 充雅)



■(仮)残したい東京の近代建築

 現在、当会の編集による「(仮)残したい東京の近代建築」が執筆中です。今年の秋頃の出版を予定しています。当会の会員は割引価格で購入できるよう検討中です。なお、昨年アンケートを送っていただいた方の中から抽選で贈呈する予定です。
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